SSブログ

私の中の一期一会 №252 [雑木林の四季]

                   行く年はデルタ株、来る年はオミクロン株
    ~岸田政権は3回目のワクチン接種でオミクロン株に勝てるか?~

     アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 正月を故郷で過ごそうという人の帰省ラッシュは29日にピークを迎えていた。
 去年は年末を迎えても感染者が急増していて“移動の自粛”を余儀なくされた人が多かったが、今年は一転、各ターミナルは大混雑となった。
 29日に76人、30日は64人と、東京都の新規感染者数の増加は気になるが、それまでは1日50人以下の日が続いていた。
 オミクロン株の影響も確かに心配だが、諸外国に比べれば、今の所感染を抑えられているほうだろう。
「第6波」が来てしまったらどうにもならない。
 大きな感染の波が来る前に、“予定通り帰省してしまおう”と予約をキャンセルしなかった人が多くいたのに違いない。
 海外旅行はオミクロン変異株に感染しに行くようなものだ。
 だから海外旅行はやめて国内のリゾート地や温泉でゆっくりしたい、それも今のうちに・・
 かくして、“2年ぶり”という人たちが予防対策も意識しながらの大移動になったのである。
 29日の羽田空港では、午前7時頃からANA便が出発する第2ターミナルの手荷物を預けるカウンターに長い列ができていた。
 荷物を預けるだけで20分位かかってしまう。
 荷物を預け終わったら、保安検査だ。
 ここも、すでに長い行列ができていて、通り抜けるまでに15分は必要だろう。
 羽田空港は何処もコロナ前のピーク時と全く変わらない光景が展開していた。
 JAL便などが出発する第1ターミナルもコロナ前と変わらない混雑ぶりだった。
 出発便の多くは1日中満席で飛び立っていったという。
 到着空港では、何処も2年ぶりに帰ってくる子や孫を出迎える人達で混雑したというから驚く。
 迎える人たちの頭には、コロナの“コ”の字も浮かばないのではないだろうか。
 JR東日本によると、東海道新幹線なども、午前中の「のぞみ」自由席の乗車率が130%を超える混雑ぶりだった。
 東北、山形、上越、北陸の各新幹線なども、午後4時頃まで乗車率100%超える状態が続いたというから、人の流れが普段より激しかったことが分かる。
 日本道路交通情報センターは,29日午前11時現在、東名高速下り、神奈川県の伊勢原ジャンクションと秦野中井インターチェンジ付近を先頭に37キロ渋滞していると伝えていた。
 通過には1時間40分ぐらいかかるかも知れないという
 今年はオミクロン株への感染を懸念してか,帰省前にPCR検査場を訪れる人も多かったらしい。
 群馬県の実家に帰省するつもりの男性は「東京の感染者も増加傾向で油断は出来ない。検査の結果を待っている」と話していた。
 分科会の尾身茂会長は「国内ではオミクロン株が面的に広がっているとは考えていないが、複数のスポットではすでに感染が始まっている。市中感染が出ると感染は急拡大する」と話していた。
 尾身会長としても「今の所ステイホームの必要はない」と言いながら、内心では「年末の帰省は非常に悩ましい」ところだろう。
 もう切符を買ってしまった人に「キャンセルしなさい」と言えないが、もし迷っていたら、オミクロンの状況に注視して欲しい」と苦しい胸の内を語っている。
 厚労省によると27日現在、国内でオミクロン株が確認されたのは空港検疫で280人である。
 東京都、大阪府、京都府、福岡県などで、感染経路不明というケースが36人いた。
 合わせると316人になるが、全員が軽症又は無症状で経過している。
 英オックスフォード大の免疫学者でもあるジョン・ベル教授は「今世界中に拡大しているオミクロン株は、1年前に見ていたのと同じ病気ではない」という見解をBBCのラジオで語って注目された。
「オミクロン株の感染力は非常に強いが、感染者は比較的軽症で済むようだ。入院に至った患者でも入院期間は長くなっていない。 
 1年前なら集中治療室は常に満床状態であり、多くの人が若くして亡くなった。
 そうした恐ろしい状況は今や過去のものである」・・・
 ナビスタクリニックの久住英二理事長も大きく心配していない。
「オミクロン株が重症化リスクの高い変異株なら、流行が拡大する前にもっと早く気付いた筈だ。
 気付かないうちに広がったということは、重症化リスクの低い変異株だからではないか。
 一般的には、“ウイルスは感染力が強くなるほど弱毒化する”といわれている。
 重症化リスクにはワクチン効果も期待できる。
 ワクチンには、“感染予防”、“発症予防”、“重症化予防”の3つに効果がある。
 ワクチン効果は通常、時間が経っても残るため感染や発症は抑えられなくても、重症化は防げるのではないか」・・・
 長崎大学の森内浩幸教授は「南アフリカの感染例は、ほとんどが40歳以下の若い世代だ。ヨーロッパの感染例も大半が2回のワクチン接種が終わっている人たちだ。
 どちらも重症化リスクは低い。
 高齢者や未接種者が感染したらどうなるかは、まだ分かっていない」と油断は禁物であるという指摘を忘れていない。
 厚労省の専門家組織の脇田隆宇座長は「感染者数が増えると軽症者、無症状者の自宅療養や宿泊療養が多くなる。
 患者は管理しなければならないから医療体制、特に公共衛生体制の負担が大きくなってくる。
 オミクロン株は重症化リスクが低いというが、医療への負担は軽減することにはつながらない」と注意を促した。
 オミクロン株の感染者について政府は今、全員を入院措置などにしているが、重症度など症状に応じて判断するように直すべきだ」という見解を示した。
 南アフリカは30日、オミクロン株の“感染の第4波はピークを過ぎた”として、深夜から午前4時までの外出禁止令を解除したことを内閣の声明で明らかにした。
 南アの内閣は声明で「オミクロン株は感染力が極めて強い。しかしこれまでの感染拡大の波と比べると入院率は低い。このことは定期的なヘルスケアも含め医療機関に対応の余地があることを示している」と述べている。
 ヨーロッパ各国では感染拡大が止まる気配がない。
 英国やフランスでは、主流がオミクロン株に置き換わっているようだ。
 30日の1日の新規感染者数・・・
   英国    18万9213人      
   フランス  20万6243人
   ポルトガル  2万6243人
   アメリカ  48万6000人
 29日に東京から各地へ大移動した人たちは、1月3日に一斉に戻ってくるという。
 航空機、新幹線、高速道路は混雑、渋滞でみんな疲労困憊するに違いない。
 そして、オミクロン株も点から面へと拡大するかも知れない。
 コロナとの戦いはまだまだ続く・・・
 新聞に載っていた千葉県の主婦(68)の投書から締めの言葉をお借りしたい。
 「世界でオミクロン株が猛威を振るい、日本でも市中感染が確認された。いよいよ第6波が現実味を帯びてきている。年明け以降もマスク、手洗い、3蜜を避けるなど対策を続け、長期戦で構えようと思う」
 頑張るしかないのだ。



nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。