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論語 №134 [心の小径]

四二四 孔子いわく、君子に三戒(さんかい)あり。少(わか)き時は、血気未だ定まらず、これを戒むること色に在り。その壮(さかん)なるに及びてや、血気方(まさ)に剛(さかん)なり。これを戒むること闘(たたかい)に在り。その老ゆるに及びてや、血気既に衰(おとろ)う。これを戒むること得(とく)に在り。

        法学者  穂積重遠

 孔子の申すよう、「君子たるべき者に三つの警戒すべきことがあります。青年期には血気定まらず感情を制し得ぬ故、警戒すべきは女色(にょしょく)であります。中年期は血気さかんな時代故、警戒すべきは闘争であります。老年期にはいると、血気が衰えてその代り 勘定高くなる故、警戒すべきは欲心であります。」

 ならんでいる「三何」の頬の中で、本章と次章は特に適切で、現代にもあてはまる。

四二五 孔子いわく、君子に三畏(さんい)苧あり。天命を畏(おそ)れ、大人を畏れ、聖人の言(ことば)を畏る。小人は天命を知らずして畏れず。大人に狎(な)れ、聖人の言を侮(あなど)る。

 孔子の申すよう、「君子には三つの畏れがあります。天命に畏れ従い、長者先輩を畏れ敬い、古聖人の言葉を畏れ守ります。ところが小人はこれに反し、天命の畏るべきを知らずしてかってにふるまい、長者先輩に心安立ての無礼を働き、古聖人の教えを古くさいなどとばかにします。」
      
 「今時論語でもあるまい」などという若人のあることを、孔子様はチャンと承知してござる。

四二六 孔子いわく、生れながらにしてこれを知る者は上(じょう)なり。学びてこれを知る者は次(つぎ)なり。困(くるし)みて学ぶ者は又その次なり。困みて学ばざる、民これを下(げ)と為す。
                             
  孔子の申すよう、「人物に四等級があります。生来(せいらい)道理を知る者があれば、これは最上級の聖人でありますが、それは望み得ません。志を立て学問につとめて道理を知る者はその次でありまして、自分などはまずその辺でありましょうか。はじめは学問に志さず行きつまってから発憤して学ぶ者はまたその次であります。行きつまっても学ぶ気持にならず平気でいる者に至っては、最下級の人物でありまして、何とも手がつけられませぬ。」

『新訳論語』 講談社学術文庫


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