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過激な隠遁~高島野十郎評伝 №64 [文芸美術の森]

ノート 3

   早稲田大学名誉教授  川崎 浹

藝術は深さとか強さとかを取るべきではない.「諦」(4)である.

花一つを、砂一粒を人間と同物に見る事、神と見る事……それは洋人キリスト教者には不可能

人間は何時の時代にも、何時の日にも同じ事をやって居る.寸分違ひはせぬ、凡ての事について.

美化は化城だ(5)。

時間といふものは無い、時間とは人生そのものだ.空間亦復如是.

藝術とは時間空間を超絶した実有の事だ.

天体までのきょりは言語を絶する、
眼前一尺のきょりも又然り.

表現は凡て暴力、生活は自然に對して暴力を加へる事、
藝術は自然に直接でなく全く無関係の他物質に表現する暴力、・・・

(4)諦 真実にして明らかなこと。悟り。明らかにする。
(5)化城(けじょう)超自然力によって形成された幻の城塞都市。一口でいえば、とりつくろう「まやかし」という意味。

『過激な隠遁~高島野十郎評伝』 求龍社


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