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私の中の一期一会 №245 [雑木林の四季]

 ―エンゼルス大谷翔平のア・リーグ、本塁打王争いは一進一退の展開になった!
~ブルージェイズのウラジミール・ゲレーロJrが、13日の45号本塁打で大谷を抜き去った~

     アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 メジャー・リーグで、アメリカン・リーグのホームラン王争いはどうなるか分からない展開になってきた。
 強打者揃いのメジャー・リーグで、エンゼルスの大谷翔平は今月11日までに44本のホームランを放ちホームランダービーのトップに立っていた。
 しかし、大谷のすぐ後ろにはブルージェイズの若き大砲ウラジミール・ゲレーロJrが追ってきていた。
 ゲレーロJrは12日のオリオールズ戦で44号を放ち、とうとう大谷とゲレーロJrがトップタイに並んでしまった。
 大谷は12日のアストロズ戦に“2番DH”で出場したが、3打数1安打と4試合連続安打は達成したが、期待されたホームランは出なかった。
 投打の二刀流で頑張っている大谷翔平には現在、メジャーのホームラン王だけでなくMVP、2ケタ勝利と2ケタ本塁打という大きな記録を手にする可能性がある。
 特に2ケタ勝利と2ケタ本塁打は、あのベーブ・ルース以来103年振りという大記録だ。
 さらにサイヤング賞投手の候補という話もある。
 今シーズンの大谷翔平は、日本人選手として“桁外れのパフォーマンスを発揮している”と各メディアから絶賛を浴びているのである。
 44本で大谷と並んでいたブルージェイズのゲレーロJrが13日のレイズ戦の6回に単独トップに浮上する45号本塁打を打ったというニュースが伝わってきた。
 ゲレーロJrがレイズ戦で放った打球は、低い角度のまま3.3秒でレフトのフェンスを越えたという。
 もし打球の角度が30センチ低かったらフェンス直撃という弾丸ライナーだったのだ。
 大谷を捉えたゲレーロJrという22歳の若武者は絶好調で、最近の15試合で9本塁打するなど、本塁打量産体制の絶好調・・
 ホームランキング争いでは、オールスター前までは大谷が33本で、2位のゲレーロJrに5本の差をつけていた。
 大谷は後半戦になってから失速気味で、9月はまだ2本しかホームランを打っていない。
 大谷は10日に敵地ヒューストンでのアストロズ戦に“2番投手”で先発した。
 今季投打では18回目の出場で、この試合に勝ち投手になれば10勝となり、1918年のベーブ・ルース以来の大記録達成だったが、それはならなかった。
 3回3分の1を投げ9安打されて6失点、今季2敗目を喫した。
 メジャー・リーグの世界でホームラン王争いをしながら投手として2ケタの10勝に挑むのだから、その重圧と疲労は想像を超えるものがあるに違いない。
 9月は9試合に出場して12日現在,29打数5安打、2本塁打したが打率は207と調子は出ない。
 シーズン終盤を迎え、登板の疲労を抱えながら打席に立たなければならないから大変だ。
 12日までのアストロズ3連戦では、ファーストゴロ やセカンドゴロなど右方向の打球が多かった。
 44号もライトスタンドへ運んだものだった。 
 シーズンも終盤を迎えている。
 下半身の疲れで打撃フォームを崩すこともあるだろう。
 超人ショウヘイ・オオタニも、今は苦境に立っていると言っていいだろう。
 エンゼルスのジョー・マッドン監督は「今のショウヘイは、少し引っ張ろうとし過ぎているかも知れない。
 レフト、センター方向に意識を戻す必要があるだろう。それが最大の修正ポイントだ。逆方向へ意識が戻れば大丈夫、まだ打てる」
 猛追してきたのはゲレーロJrだけではない。
   ロイヤルズのサルバトール・ペレスも42本塁打をマークして大谷を追っている。
 ゲレーロJrの同僚、ブルージェイズのマーカス・セミェンも39本でホームラン王争いに浮上してきた。
 こうしたライバルを大谷は意識しない訳にはいかない。
 自然と身体が引っ張りモードになっていたようだ。
 彼は広角に打てる打者で、センターから左方向へのホームランも多かった。
 投手でもある大谷が44本もホームランを打つこと自体異例ではないだろうか。
 MLBネットワークのジョン・モロシ記者は「ゲレーロJrが三冠王を取るかもしれない」と書いているが、まだどうなるか分からないのだ。
 ゲレーロJrは3試合連続本塁打、13日現在打率318で4厘差のベスト10の2位にいる。
 打点103はトップと5点差である。
 ゲレーロJrは今22歳、22歳以下の選手がシーズン143試合までに45本塁打に到達したのは67年ぶり3人目の快挙なのだ。
 過去、1937年のジョー・ディマジオと1954年のエディ・マシューズの2人しかいなかった。
 4人ともに残りは14試合前後になった。
 ゲレーロJrには抜かれたが、日本人初のホームランキング誕生の可能性は消えた訳ではない。
 オオタニは15日からシカゴでホワイトソックスとの3連戦に臨んでいる。
 ホワイトソックスのクローザー、リアム・ヘンドリックス投手が「ショウヘイ・オオタニは“一流の人間だ”とベタ褒めしている記事を読んだ。
 ヘンドリックスはオ-ストラリア出身のメジャーリーガーだが、シーズン初期の4月3日の対戦で、大谷に今季1号となる2ランを献上していた。
 ヘンドリックスは打たれた相手の大谷について「この100年間、真の二刀選手はいなかった。
 誰もがベーブ・ルースが最後だった。
 100マイル(160キロ)を投げて、リーグトップのホームランを打つなんてアンビリーバブルな選手だ」と話す。
 オールスターの時、クラブハウスで大量のボールにサインする作業を一緒にやりながら、ヘンドリックスは大谷 翔平とコミュニケーシンする機会があった。
 お互いアニメ好き二人とも“ドラゴンボールZ”のファンだった。
 「イイ奴だと思ったよ」・・ヘンドリックスはこの時大谷に好印象を持ったという。
 「もうホームランは打たれたくないけど、ショウヘイ・オオタニには活躍して貰いたい。彼は素晴らしい人柄だから、彼に会ったことがある誰もが、彼の成功を願うだろう」と語っている。
 この記事で、古いエピソードも思い出した。
 2018年4月3日、地元アナハイムで行われたインディアンズ戦の初回、右中間へ3ランホームランしたのが大谷翔平のメジャー第1号ホームランであった。
 記念すべき初ホームランのボールを手にしたのは地元に住むマシュー・グティエレスという当時9歳の少年だった。
 ホームランボールを最初に手にした男性が、すぐ後ろにいたマシュー君に「あげるよ」と言って手渡してくれたという。
 マシュー少年は「ボールを貰ってすごく嬉しかった」と大興奮・・
 ところが、そこへ球場の係員が来て「彼の記念ボールだから彼に返してくれないか」と頼んだ。
 あんなに大喜びしていたのにマシュー君は「ボクは返すことに決めた」とテレビの取材に答えたのだ。
 私は「9歳の少年が、よく返す決断をしたな」と感動する思いで記事を読んだことを思い出した。
 マシュー君は、試合後大谷に面会して記念ボールを渡した。
 大谷からサイン入りのバットを貰って、少年は大喜びをした。
 最初にボールを拾った男性にはサイン入りのユニフォームが贈られたという。
 おそらくこの2人は大谷ファンとなって、今ハラハラしながら大谷を応援していることだろ・・。
 メジャーリーグ、ア・リーグのホームラン王争いは、どうなるか分からない展開になっている。
 勝負は下駄を履くまで分からないと言うではないか、可能性は残っているのだ。
 頂点を目指して頑張れ! ショウヘイ・オオタニ!



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