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私の中の一期一会 №238 [雑木林の四季]

      英国型より怖いインド型変異株が感染拡大するかも。感染力は英国型の1.5倍
    ~この夏、「東京五輪変異株」という新しいウイルスが出現するかも知れない~

      アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 高齢者へのワクチン接種は順調(?)に進んでいるようだが、コロナの新規感染者数は期待した程には減っていないのではないか?
 政府は、緊急事態宣言を6月20日までさらに延長することを決断した。
 この春、関西圏で急拡大した英国型変異株は、次第に東京を中心とした首都圏にも拡大した。
 国立感染症研究所では、関西ではほぼ100%、首都圏でも90%以上が従来型から英国株に置き換わったと見ている。
 国内で感染者数の減少ペースが鈍いのは、感染力の強い英国型変異株が猛威を振るっているからだろう。
 インドでは2月頃、1日の新規感染者数が1万人を切っていた。
 しかしその後、感染者が増えだして4月になると10万人を超えるようになった。
 4月下旬には30万人を突破、5月1日には40万人というように爆発的に感染が拡大していったのである。
 感染力の強いインド型変異株が、新しく出現していたからとみられている。
 英国は世界でいち早くワクチン接種に取り組み、新規感染者数をピーク時の27分の1にまで抑え込んだ実績を誇っていた。
 その英国でもインド株の出現によって、〝感染再拡大”の懸念が出てきている。 
 ジョンソン首相は「インド株は英国型より感染力が強い。深刻な混乱をもたらすかも知れない」と警戒している。
 WHO(世界保健機関)は4月下旬、インド型変異株を新たにVOC(懸念される変異株)に指定した。
 日本の国立感染症研究所も12日、WHOを追うようにVOCの対象にしている。
 鈴木センター長は今月8日のシンポジウムで「従来と同じ対策が通用しない新しいウイルスが出てきたと考えなくてはならない」と発言している。
 世界中で次々に変異するコロナウイルスに、人類は翻弄されて〝疲労困憊”といった有様である。
 23日の「NHK日曜討論」に出演した加藤官房長官は「日本でのインド株は、水際でかなり確認されますが、国内での発見例は、今のところそれほど多くない状況です」と発言していた。
 この発言は、政府の〝鈍すぎる危機意識の表れ”だとして、コロナ禍に苦しむ国民を落胆させるものであった。
  英国株より1.5倍の強い感染力を持つインド型変異株は、官房長官の認識と違って国内でも既に、じわじわと広がりを見せていたからである。
 インド株感染者が国内で初めて確認されたのは3月28日であった。
 それから5月7日までの41日間で、実に160人ものインド株陽性者が確認されていたのである。
 英国株は、空港検疫で初めて確認されてからの48日間で感染者は43人だったから、インド株の感染力はケタ違いだということが分る。
 厚労省によると、空港検疫以外で18日から23日までに東京都で5人、埼玉県で1人、神名川県3人、千葉県6人、静岡県5人、大坂府2人、兵庫県2人、鹿児島県で3人と計27人確認されていた 。
 18日迄の確認は8人だったのに、およそ1週間で3倍以上に増えていたことになる。
 今、国内で最も多く確認されているのは英国型の変異株だ。
 英国型は従来型より感染力が強いと言われていて、若い世代でも重症化するリスクがある。
 国立感染症研究所によると、英国型の重症化リスクは従来型の1.4倍である。
 発症から重症化までの日数は、第3波では「8日」というのが平均だったが、変異株感染者は「6日」と短かくなった。
 変異株は感染力が強く、進行が速いという特徴がある。
 医療ガバナンス研究所の上昌広理事長は「重症者が減らないと医療逼迫状況は解消されない。劇的に感染者が減ったりすれば別だが、宣言も6月20日に解除出来る状況にはならないだろう」と語った。
 国立感染症研究所はインド型変異株について「分析はこれからだが、感染力は英国型より強く、進行も早い。重症化率も高い・・などが分かっている。ワクチン効果の充分な情報はない」とのこと。
 横浜市立大の研究によれば、「ワクチンの1回接種だけでは有効性は落ちるが、2回接種ならばどの変異種にも90%以上の効果が期待できる」と言っている。
 国民の接種率が50%を超えれば感染者数がグッと下がることは誰にも分かっているが、この国の接種率がOECD加盟37カ国のワーストでは話にならない。
 仮に3600万人の高齢者全員が7月末までに2回目の接種を終えたとしても、国民1億2500万人の28.6%にしかならない。
「ダメだ、こりゃ!」・・
 ワクチンだけに頼る感染対策は、かえって危険だと警鐘を鳴らす専門家もいるが、国民の多くがワクチンの接種を受けた国では、感染者の減少傾向がみられるのも事実だ。
 英オックスフォード大の研究者らは、イスラエルでのワクチン効果や感染者数の推移を調査した。
 この25日でイスラエルは人口の59.2%が既定回数のワクチン接種を終えている。
 ワクチン2回接種のグループと接種を1回もしてないグループを比較して解析した結果、〝感染と発症”、〝重症化の予防”については有効性95%以上という結果がでた。
「ワクチン接種率を上昇させることで、普通の生活を取り戻せる可能性がある」と結論づけている。
 1月頃のイスラエルは、2回目の接種率がまだ10~20%程度だった。
 その頃は1日1万人以上の感染者が出る日があり、死者も100人ほど出ていたという。
 国民の半数以上が2回目の接種絵を終えた3月頃には新規感染者は1000人以下になった。
 接種率6割になった5月、感染者は100人以下に減り、死者ゼロの日もあるようになっていた。
 アメリカでも接種が進むにつれて感染者数が減少傾向を示している。
 またワクチン接種を受けた65歳以上の高齢者は、感染しても入院するリスクが94%も減ったという。
 欧米人とは人種の違いがあるが、参考にしてもいい研究結果ではないかと思う。
 イスラエルでは、感染を広げやすい若い世代にも接種が進んでいるという・・何とも羨ましい限りだ。
 英国型より怖いウイルス「インド型変異株」は、夏にかけて流行の最盛期を迎えるだろうと見られている。
 日本では、頼みのワクチン接種率も飛躍的に上昇することは考えにくい。ずば抜けて
 ずば抜けて感染力が強いインド株が、日本の全土で主流になる日はそう遠くないかも知れない。
 全国医師ユニオン代表の植山直人医師は27日、外国特派員協会で会見して「全く新しい日本発変異株が出現する可能性はある。新しい変異株は〝東京五輪株”と呼ばれる。
 この先き100年にわたって『東京五輪は人類の愚行であった』と非難されるだろう」と発言した。
 この発言は海外で大きな波紋を呼んだそうだ。
 RNAウイルスは一定の割合で変異する。
 感染が爆発的に拡大した地域で、新しく変異株が出現する可能性はあるのだ。
 「日本発・東京五輪株」が現れないと断言することは誰にも出来ないだろう。


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