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検証 公団居住60年 №78 [雑木林の四季]

ⅩⅢ 独立行政法人化して都市再生機構に改組

     国立市富士見台団地自治会長  多和田栄治

6.全会一致の都市機構法付帯決議

 全国各団地での自治会活動のもり上がりを背景にした国会・政府へのねばり強い働きかけ、法案審議におけるに自治協代表の参考人発言と傍聴行動、これらが一体となって機構法案の問題点を浮きぼりにし、審議内容と付帯決議の各項目に居住者要求を反映させたといえる。2003年5月14日の衆院国土交通委員会付帯決議の要旨は-

①「住宅が国民生活を支える基本的な基盤である」ことを確認したうえで、つぎの事項を政府・機構にもとめる。
② 政府は、公的賃貸住宅の計画的整備、高齢者向け賃貸住宅の供給の促進のための制度の拡充等により、国民の住宅セーフティネットの構築に努めること。
③ 機構は、居住者の居住の安定を図ることを政策目標として明確に定め、居住者との信頼関係を尊重し、十分な意思の疎通と連携のもとに適切な住宅管理に努めること。
④ 機構は、居住者にとって過大な負担とならないよう家賃制度や家賃改定ルールに対する十分な配慮に努めること。とくに低所得の高齢者等にたいする家賃の減免や建て替えにともなう急激な家賃の上昇の抑制については十分に配慮すること。
⑤ 機構は、建て替えにあたっては居住者の居住の安定を図るとともに、良好なまちづくりとコミュニティの維持に努めること。
⑥ 機構は、賃貸住宅事業とその他の事業との区分経理を明確にし、財務内容等の情報公開を積極的に進めること。
① 国土交通省の独立行政法人評価委員会には、機構の賃貸住宅の居住者の意見が参酌されるよう配慮すること。

 このほか、地方自治体および民間事業者との関係、機構の関連会社等との棚、機構組織および運営のあり方にかんする事項をふくめ11項目からなっっており、参院での6月12日の委員会決議も内容はほぼ同じである。
 11項目にもわたる長文の付帯決議は、内閣提出の法案には本来抜本的に修正すべき問題点がいかに多いかをしめすとともに、法案には賛成できない居住者の意見、自治協の運動が抑えがたく高まっていたことの証しでもあった。政府・機構にたいする「努力」要請とはいえ国会決議としての重さは、自治協運動のあらゆる部面でその後の貴重な拠りどころ、武器となった。

『検証 公団居住60年』 東信堂


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