SSブログ

草木塔 №85 [ことだま五七五]

旅心 1

          俳人  種田山頭火

 葦の穂風の行きたい方へ行く

 身にちかく水のながれくる

 どこからともなく雲が出て来て秋の雲

 飯のうまさが青い青い空

 ごろりと草に、ふんどしかわいた

 をなごやは夜がまだ明けない葉柳並木

 秋風、行きたい方へ行けるところまで

 ビルとビルとのすきまから見えて山の青さよ

 朝の雨の石をしめすほど


『草木塔』 青空文庫

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。