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私の中の一期一会 №234 [雑木林の四季]

  ワクチン接種は予定通りに行きそうもない。コロナ治療薬はまだ先のおハナシ
  ~世界中が恐れるのは英国、南アフリカ、ブラジル由来の変異株だという~

      アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 厚労省の役人23人が先週24日に、銀座の飲食店で午前0時直前までマスクもせずに送別会を行い、飲食していたことが分り、大きなニュースになった。  
 緊急事態宣言が全面的に解除されて、まだ1週間ほどしか経っていない。
 各地で新規感染者数はリバウンド傾向にあり、変異種によるものだろう「第4波」が到来しているという声も聞えてくるというのに・・・
 英国で見つかったウイルスの変異株が世界の100カ国以上に拡大していることが29日、イギリスの大学の調査で分かった。 
 南アフリカ株、ブラジル株を合わせれば約120カ国で変異株が確認されている。
 三つ全てが見つかっている国は約20カ国で、その中には日本も含まれている。
 日本は聖火リレーでオリンピックムードを高めるつもりらしいが、〝そんな場合か!”と言いたくもなる。
 政府は宣言を前面解除した後も、夜遅くまでの飲食や歓送迎会、卒業に伴う謝恩会など大人数の会合・会食を控えるよう要請していた。
 厚労省の役人たちは、分っているけど〝バレなきゃいい”とでも思ったに違いない。
 歓送迎会などは民間だってやりたいのを、国が〝自粛しろ”と言うから我慢しているのにフザケた話しだという怒りの声はネットにも多く見られる
 コロナ感染防止対策をリードする立場の厚労省職員がこの体たらくでは、政府が何を言っても国民は耳を貸そうとしないだろう。
 私は26日、近くのハートクリニックを受診した、毎月1回の定期受診である。
 診察を終えて、「4月になったらワクチン接種の案内がいくでしょう。このクリニックで接種できますから予約してください。6月には打てるでしょう」と主治医は言った。
「えっ、4月に予約しても、6月なんですか?」と私は思わず口にした。
「今のところそうなります」というのが医師の答えだったが、コソコソと宴会はやるけど感染症拡大防止には熱心さを欠く厚労省なんて頼りにならないなと改めて思った。
 ワクチンはまだ感染していない人に接種して感染しにくいようにしたり、重症化しないようにする予防薬であって、コロナ治療薬ではない。
 コロナに特化した治療薬がないから、感染者の治療には、他の病気に使う既存薬を転用して対処するしかないのが現状だ。
 日本では20年5月、レムデシベルがコロナ治療薬として特例承認された。
 アビガンやベルクリーという抗ウイルス薬なども使われているという。
 風邪のような症状や味覚障害など症状が軽い場合は、咳止めや解熱剤などの対処療法を行う。
 軽症であれば8割が自然に治ってしまうのも特徴だろう。
 問題は重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を持つ人の場合で、まず入院が必要になる。
 中等症で、セキ・タン、呼吸困難などに肺炎症状が見られる場合は、酸素吸入と合わせアビガンやレムデシベルなどの抗ウイルス薬の出番となる。
 重症化して人工呼吸器が必要になれば、サイトカインという過剰な炎症反応が起こっているとみて炎症を抑えるアクテムラなど抗体医薬品を使うことが多い。
 だが、WHO(世界保健機関)はレムデシベルを「積極的に推奨しない」と公表している。
 世界各地の入院患者に対して行った臨床試験(治験)で死亡率の改善を証明できなかったからである。
 レムデシベルは、もともとエボラ出血熱の治療薬として開発されたもので、重症患者を対象に特例承認されたものだが、この1月から仲等症患者にも投与されるようになった
 入院患者の回復を5日ほど早めたというNIAID(米国立アレルギー研究所)の治験を基に、世界の500国で承認されている。
 それなのに、まだ確かなエビデンスがないというのも不思議な話だ。
 デキサメタゾンは、重症感染症や間質性肺炎などの治療薬として承認されているステロイド薬。
 英国で行われた大規模な臨床研究で、重症患者の死亡を減少させたという報告があった。
 厚労省の「診療の手引き」にもデキサメタゾンは標準的な治療法として掲載されている。
 ノーベル賞受賞者大村智博士が開発したイベルメクチンがコロナの予防と治療に有効という医学報告が世界各地から多数上がっている。
 イベルメクチンは、もともと抗寄生虫病薬だが、最近になって〝コロナの特効薬”として注目を集めるようになった。
 南米のペルーで昨年、コロナの第1波が来た時、60歳以上の住民にイベルメクチンを無料で配布したことがあった。
 新規感染者と死亡者数が一気に減少したというエピソードがあるのだ。
 第2波が来ても下げ止まったままだったという。
 イベルメクチンの治療効果としては、バングラデシュ、エジプト、トルコ、インドなど世界27カ国で臨床試験や観察研究が行われている。
 そうした海外からの報告が増えているが、質の高い大規模な治験で有効性は証明された訳ではない。
 日本で開発された薬だが、日本でも未承認薬のままである。
 そんな折、米ファイザー製薬が、コロナの経口治療薬の初期段階の治験を開始したという日経新聞の記事を目にした。
 コロナに感染した人の体内でウイルスの増殖を防ぐ作用を持つ薬で、口から服用できる。
 注射するより簡単に済むのが利点だ。
 治験は、健康な成人を参加者にするそうだが、治療薬は人の体内で感染を広げる酵素の働きを阻むものである。
 ファイザーでは、入院患者に静脈注射で投与する治療薬の治験も進めている。
 コロナウイルスは1カ月に2回のペースで変異してしまうため、薬が〝標的”を定めにくいことが治療薬造りを難しくしているらしい。
「風邪に特効薬がないのと同じだ」という物知りの説も聞かされた。
 ワクチンは兎も角、治療薬はどうなっているのか知りたいと思う人は多いだろう。
 昨日、今日のニュースを見れば、宣言解除のリバウンドで「第4波」の疑いが濃くなっているのが分かる。
 筑波大の倉橋節也教授のまとめによると、変異株が平均2週間に1回程度のペースで変異する。
 ウイルスが変異すると増殖する過程で遺伝子情報も変化する。
 世界的に警戒されているのは主に英国、南アフリカ、ブラジル由来の変異株である。
 ウイルス表面の501番目のアミノ酸が変化したもので、従来より感染力が強いそうだ。
 この変異株は「E484K」という変異も併せ持っていて免疫が効きにくい可能性もある。
 南アフリカ、ブラジル由来の株もワクチン効果が低減する恐れもあるようだ。
 国立感染症研究所によれば、外国由来のE484Kの変異株による感染者も400人弱見つかっているが、これらは何処から来たのか不明だという。
 舘田一博東邦大教授は、変異株への感染対策も従来通りで変わらないと話す。
 マスク着用と手洗を徹底して欲しい。
 変異株にも「正しく恐れることが大事」だと強調した。
 ワクチン接種は予定通り進まないだろうし、治療薬もまだまだ先のハナシのようだ。
 コロナの収束なんて、何時になるか誰にも分からない。
 ガ―ス―政権のほうがコロナより早く消え去ってしまいそうにも見える。
 我々国民は冷静に正しくコロナを恐れ、ウイルスに感染しないようにするしかない。
 ヤレヤレ・・・   
  
 


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