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草木塔 №84 [ことだま五七五]

孤寒 9

           俳人  種田山頭火

   自嘲

 初孫がうまれたさうな風鈴の鳴る

 雨を受けて桶いつぱいの美しい水

 飛んでいつぴき赤蛙

 げんのしようこのおのれひそかな花と咲く

 また一日がをはるとしてすこし夕焼けて

   更に改作(昭和十五年二月)

 草にすわり飯ばかりの飯をしみじみ

   行乞途上(改作追加)

 草にすわり飯ばかりの飯


『草木塔』 青空文庫


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