SSブログ

私の中の一期一会 №230 [雑木林の四季]

    コロナ慣れ、気の緩みは「正常性バイアス」の働き、宣言解除は遅れるだろう
        ~与党幹部2人、宣言下に深夜まで銀座のクラブをハシゴしていた~

      アナウンサー&キャスター  藤田和弘

  米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、1月26日に世界全体の累計感染者数が1億人を突破したことが分った。
  世界人口は約77億人と聞くので、77億人に1人の割合で新型コロナウイルスに感染した計算になるという。死者は215万人を越えた。
 27日午前11時現在、世界中の感染者は1億21万人以上となっている。
 国別では、アメリカが2576万人で、世界最大の感染国なのは変わらない。
 インドが1072万人で続き、ブラジルが905.5万人の3位という順である。
 中でも、ブラジルは連日6万人前後のペースで感染者が増加しているそうだが、変異種による感染の拡大も懸念されている。
 日本では8日にスタートした緊急事態宣言から3週間が経過して、2月7日の解除期限が迫ってきた。
 このところ、東京都の一日の感染者数は1000人を切ることが多くなり一定の予防効果は表れているように見える。
 だが、日本医師会の中川会長は27日の会見で「国民の多くは、昨年の宣言時より感染防止意識が低下しているのではないか」とコロナ慣れした〝気の緩み”に警告を発した。
 私は29日に通院のために電車に乗ったが、前回の宣言時に比べると乗客数は減っているようにはみえなかった。
 コロナのある生活に慣れ過ぎると警戒心が薄れ、外出しても〝自分は大丈夫だ”と思い込むような心理状態に陥りやすくなるという。
 都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりすることが起こるのだが、これを「正常性バイアス」と呼ぶことを知った。
 御嶽山が噴火した時、正常性バイアスが働いて〝大丈夫だろう”と噴煙を撮影していたら逃げ遅れて遭難した人が少なくなかったというハナシもある。
 正常性バイアスが働くと、人は〝危険に敏感でなくなり、いち早い行動がとれなくなる”ようなのだ。
 ウイルスは忖度してくれない。
 宣言下に、外出しても〝大丈夫だろう”と思うのは〝気の緩み”であり〝危険”なのである。
 菅首相は「1カ月後には必ず事態を改善させる」とキッパリと国会で断言したが、その根拠を問われると「強い決意を申し上げた」と答えたため議場はしばし騒然となった。
 ツイッターもすぐに反応して・・・
「〝根拠は?”と聞かれているのに〝決意”では答になってないだろうが!」
「何の策もなく、決意や精神論を口にしても、ガースーの言葉など信用出来ない」
「ガ―スは思考能力がない、根拠のない希望的発言ばかりだ。答弁になってない!」と散々である。
 そんな折、週刊誌が与党幹部2人が銀座のクラブを深夜までハシゴ・・と報じたから国民は呆れ果てた。
 週刊新潮によれば、自民党の松本純国対委員長代理(70)は18日、イタリア料理店で会食して午後9時頃店を出た。
 そして、深夜11時過ぎまで銀座のクラブ2軒をハシゴしていたことが露見して記事になった。
 菅首相が施政方針演説で「20時以降、不要不急の外出自粛」を改めて国民に求めた、その日の夜のことだったのである
「私の行動自体が少し軽かったと反省している。陳情を受け賜わるため一人で行った」などと弁明したが、言い訳としてはお粗末である。
 今は平時でなく宣言下なのだ。国会議員が政府の外出自粛要請を無視してよい訳がない。
 なのに、行動が少し「軽かった」はないだろう、「軽い行動ではない」から問題視されたのだ。
 軽かったのは国会議員である自覚と気の緩である。
「陳情を承け賜わるため」というのも、ウソっぽい幼稚な説明だ。
 陳情は通常「受ける」ものであって、受け賜わるものではない。
 夜遅く銀座のクラブに、何を受け賜わりに行くというのだろう・・・
 もう一人は公明党の遠山清彦幹事長代理(51)で、やはり銀座のクラブに深夜まで滞在していた。
〝文春砲”に撃たれたところを見ると、大分前から目をつけられいたに違いない。
「結果として深夜まで外出していたことは極めて不適切であった。猛省している」と陳謝した。
 この男は福岡市や延岡市のキャバクラ代金を政治資金で処理していたことまで発覚している。
 二人とも役職を辞任したが、首相が「国民に我慢をお願いしている最中に、大変申し訳ない」と頭を下げざるを得なかった。
 松本、遠山のご両人ばかりでなく、夜ごと会食に精を出す感染防止意識の薄い与党政治家は少なくないだろう。
「集まって話をしただけで、会食してない」と誤魔化した大物もいたではないか。
 自民党は29日、党本部に勤務する全職員200人を対象にPCR検査を実施することを決定した。
 20代の男性職員がコロナに感染したことが分かったのは28日だった。
 職員は現在、保健所の指示に従って自宅療養をしている。
 この1週間職場に出入りしていないので濃厚接触者はいない。
 にもかかわらず、全職員のPCR検査を決めるなんて〝納得できない”という声が上がった。
 ツイッターの反応はいつも早い。
 一般市民は体調不良でもなかなか検査して貰えない現状に不満を持っている。
 国民の怒りの声が集中した。
「自分たちだけ、積極的にPCR検査かよ!」
「国民に自粛を求めて自分たちは銀座で遅くまで会食してるのに、陽性者が1人出たら全員だと? 大概にしろ!」・・これは批判と言うより怒りの声だ。
「さすが上級国民ですね。全国民が気軽にPCR検査できる体制を望んでいます 」・・これこれは皮肉だ。
 22日に感染が発覚した自民党の石原伸晃元幹事長は無症状なのに、即入院した。
 検査待ちや入院を自宅などで待機中に容体が急変して死亡する人は1人や2人ではない。
 釈然としない国民は多いだろう、いずれ問題になるかも知れない。
 政府が、3月7日まで緊急事態宣言を延長する方向で調整にはいったことが30日分った。
 明日以降、諮問委員会を開いて専門家の意見を聞いた上で、延長する地域や期間について最終決定することになったようだ。
 GoToの再開に拘るガースーは、宣言解除を急ぎたいのではないか。
 予定通り2月7日に宣言解除だったら、これまで以上に気の緩みが生じていた可能性があった。
 電車内やスーパーは、本来お喋りする場所ではないから、比較的安全な場所だという説もあったが、解除のタイミングを誤ると感染は急拡大するだろう。「そこ」はもう安全ではなくなってしまう。
 イギリス、南アフリカ、ブラジルなどから変異したウイルスの感染拡大が伝わってくる。
 感染力が7割も高いと言われる英国型の変異種が検疫をすり抜け国内に入っていた。
 日本国内で変異種によるクラスターがを発生したというニュースもある。 
 今後、感染力の高い変異種が蔓延すれば、感染者は医療体制の限界を超えるだろう。
 重症者が増えれば、死亡者も増えていく。
「コロナへの警戒心を解いてしまうと、大きな揺り戻しが待っているだろう」という日本医師会の中川会長の言葉は「第4波」(?)を示唆しての警告なのかは不明だが、コロナ慣れ、ウイルスへの警戒心の緩みへの警告であるように思う。
「第3波」がまだ決着していないのに、変異種による「第4波」(?)の大きなヤマが目前まで迫っているとしたら、やはり怖い。
 コロナへの警戒心を失くしてはいけない。
 今後もウイルスは変異をくり返し、存在し続けるだろうから・・・
 

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。