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浜田山通信 №282 [雑木林の四季]

コロナにかかると罰金

       ジャーナリスト  野村勝美

 アメリカのトランプ前大統領は史上最低の大統領だった。よその国のことだからもう何も言いたくないが、一つだけ書いておく。日本のメデイアもある程度大きく扱ったが、67年ぶりの死刑執行である。死刑の執行は、先進国ではやらないのが常識になっている。しかしアメリカではトランプ政権になってから昨年7月、17年ぶりに死刑を執行、11月までに7人、政権執行移行期に入ってからも3人に執行した。政権移行期には死刑を執行しないのが130年以上の慣例だった。
 執行されたのはリサ・モンゴメリーという死刑囚で52歳。2004年ミズーリ州で23歳の女性を殺害し、腹部を切り裂いて胎児を奪った。逮捕されたとき、その赤ちゃんをあやしていた。リサ死刑囚は生い立ちをここに描くのもつらい。母親とその再婚相手の父親の虐待、レイプ、性的売買…弁護側は心神喪失状態の死刑囚の執行は違憲と訴えたが、トランプ政権は連邦レベルで昨年7月以降10人の死刑を執行、任期切れ直前にモンゴメリー死刑囚を含め3人を執行した。
 米国では連邦レベルと半数以上の州に死刑制度があるが、連邦レベルでは2005年以降死刑執行はなかった。政権移行期には130年以上も執行されてこなかった。それをトランプは移行期に入ってから3人に執行した。いくら大統領に執行の命令サインをする権限があるといえ普通ではない。 アメリカはトランプによって世界のナンバーワンの地位からすべりおちた。勿論バイデン新大統領は死刑廃止を公約しており、米国の名誉回復は成ることだろう。悪いことは全てトランプの故にできるが、いったんおちたアメリカ・ファーストは、なかなか回復しないだろう。
 政治家はとかく悪いことをした者を罰したがる。罰すれば見せしめになり、悪事が減るはずだと思う。だが悪いことはそんなに簡単に減らない。人間社会はもう何千年も昔から悪事をくりかえしている。
 いまも、コロナにかかった人が入院拒否をしたら罰金を過す過さないでもめている。素人には、どうしてコロナにかかった人が、病院で治療してもらうより自宅で安静にしていたいと入院治療を断ると罰金をとられなければならないのかわからない。病院じゃない、代わりのホテルに閉じ込められるのはいやだというと、罰金。だいたいなかなか入院もさせてもらえない、治療もしてもらえないというのに、お上の言うことを聞かないとすぐ罰を与える。まあそれが権力者といえばそれまでだが、権力者なのだから何とか少しでも早くコロナ退治に全精力をつぎ込んでもらいたい。もう一年もたったのに、いまだに非常事態宣言とやらを二月いっぱいまで延ばすとか、オリンピックは何が何でもやるとか、バッハ某会長の顔色ばかりうかがって、無観客でもやるとか。そして非常事態宣言下、自民党や公明党の政治家が銀座の高級バーで地元や業界の陳情をうけていた。ああアホらしい。どうしてこんな政治屋に罰を与えないのか。


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