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はるかなる呼び声 №8 [核無き世界をめざして]

 はるかなる呼び声⑧    関千枝子から中山士朗様

               エッセイスト  関 千枝子

 今回は中山さんの番だったのですが、中山さんが、勘違いされ、一月十五日号に書くと思伊混んでしまわれました。私の送り状が悪かったため、申し訳ありません。というわけで、もう一度.関が書きます
 前回は中山さんの体調が悪かったのですが、今はお元気で、以前お知らせしましたこのコーナーで「余滴」として書きました二〇一八年から二〇二〇年の八月までの分の本の校正も無事終わり、来春早々には本が世に出ます(余滴では多少気が引けますので、題名は、続対話随想 とする予定です)。中山さんも今作業で体調取り戻されたようでした。

 さて、私の年頭の思いは、昨年はコロナ禍で大変、秋の第三波が始まってから少しも収まる気配がなく、東京など最高の数字が続き、そこへイギリスで発生した変形のコロナですか、感染力が強いそうで、まあ散々な世の中。国や小池都知事の言う通り、ステイホーム、忘年会も新年会もなし、家でじっとしていても収まるかどうか、何とも困った事態です。
 前回女子学院に被爆の話をしに行った話は書きましたが、二つの学年はオンラインなどという形でも、きちんとできましたのは、やはり女子学院だからか、とも思います。例年一月は跡見学園の中学二年の修学旅行事前学習に行くのですが、今年は何も連絡なく、中止かな、と思っています。十年以上続いたことですし、私のクラスが全滅した時と同じ二年生。そのことを言うと、シーンとして本当によく聞いてくれますので私は跡見に行くのが大好きでした。しかし、修学旅行ができるかどうかわからないのでは事前学習も何もあったものではありませんね。新しい年もコロナのおかげで厳しい年かと思えます。

 でも今日は、とてもうれしい報告をいたしましょう。いま、「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める」署名というのが始まっています。
 二〇一七年この条約ができました時、本当にヒバクシャたちは喜びました。ヒバクシャにはいろいろな考えの方がおられますが、すべてのヒバクシャに共通している思いは、「もうあんな爆弾はいらない」ということでしょう。あんな凶悪な爆弾は人類と共存できない、どこの国人の上にも落とせない、という思いです。核兵器を一切否定するこの条約を、ヒバクシャはどんなに嬉しく思ったことか。しかし日本政府は、常々「唯一の被爆国」などと言っている癖に、この条約の会議にさえ参加しませんでした。空席の日本の席に、大きな折り鶴の折り紙が置かれました。本当に恥ずかしい、と思いました。条約は圧倒的に多くの国々の賛成で成立したのですが、もちろん会議にも出なかった日本は署名もしませんでした。
 この条約に、核を持つ国は反対ですし、その国の核の傘に護られている国(日本もどこかの大国の核の傘に隠れていますね)は条約に反対の立場です、被爆国である日本は、「核を持つ国と持たない国との橋渡しをする」など言いながら、強い同盟国の言いなり。ヒロシマ、ナガサキの式典で両市の市長に条約参加を迫られても、すべて無視でした。
 こんな中被団協は、核兵器禁止条約に賛成する署名を取り圧倒的に多くの署名を集めましたが、政府は終止無視です。
 条約は賛成の署名だけでなく、発効のためには批准がいります。これはいろいろ大変なのですが先日条約発効の五十か国に達し、一月二十二日、、国連の条約として発効することが決まりました。
 この期に及んでも日本政府は知らん顔、国連の会議に妙な決議案を提案したりして心ある国々から顰蹙をかっています。
 そこで日本でも新たな署名が始まりました。日本政府に「核禁止条約」の署名、批准を求める署名です。
 実は、私は、前から条約賛成の署名だけでは、ダメ。政府にせまらないと、と言っていました。かねがね私の持論の署名が始まり、呼び掛け賛同人もたいへん幅広くていいのですが、署名の事務局が原水協になっています。もちろん原水協の方は原水禁の方でも保守系の方でも誰でも結構と言っています。そして、あちこちで街頭署名などやっているようです。私は考えました。コロナ騒ぎの今、街頭署名は集まりにくいし、原水協というとどうしても、先入観を持つ人がいる。でもこの署名は失敗したら大変。あまり集まらないと菅首相に馬鹿にされ相手にもされないだろう。
 私なりの署名運動を考えました。もちろん、足の歩行がゆったりで、立っていることの苦手な私、街頭署名などだめ。手紙作戦です。コロナで年寄り仲間、外に出ることを家族に嫌われ、家の中でくすぶり、足腰を傷めたりしています。その方々がまずターゲット。それから地方の友達であまり労働組合などと縁がない方々。考えるとそんな方多くて、四十通ばかり手紙と署名用紙を送ってみました。そしたらどうでしょう、あちこちとから打てば響くような反響。ネットで署名したが。ネット署名しない人に話をしてみるという方。そして多くの方が、自分の署名だけでなく、友人や自分のネットワークに拡大拡散してくださいました。この署名だけはしなくてはね、という方もあり手紙を送った方大部分が署名の種子に共感してくださったと思います。
 事務局に直接送ってくださってもよし、嫌なら私のところへ、と言っておりますのでまだ実数はわかりかねますが、私のところに来ている反響から、恐らく四〇通の手紙が十倍以上、千位になったと思うのですが。
 私は、本当に皆様の協力に勇気を頂きました。そして核兵器などいらないと、死んだわが友たち、冥途で怒りながら叫んでいると思いました。本当にこの条約ヒバクシャの平和愛好者の七十五年の思いですから。
 すみません。まだ集計中です。もっと詳しいこと次々回の手紙で報告できると思います。

少し希望の見えた新年でした。





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