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猿若句会秀句選 №112 [ことだま五七五]

猿若句会2020年十一月例会(11月21月日)特選句集

            猿若句会会亭  中村 信

 丸窓は「悟りの窓」や床もみぢ   丸本 武
 社掃く禰宜の日課や神の留守   内野和也
 手水舎に鳩が群れてる神の留守   佐竹茂市郎
 晴れゐても影の淡かり冬ざくら   伊藤 理
 家族分干し靴並べ小春かな   児玉竹子
 風邪ひいて腹もこわして正露丸   高橋 均
 明日こそ一日延ばし霜囲い   宮島久代

◆猿若句会十一月例会の特選句集です。
  例によって一句だけ[丸窓は「悟りの窓」や床もみぢ 武]の短評から始めるのですが、その前に武さんの当日の出句<五句>を見てみます。まず兼題です。「神の留守」で=[神留守や嘘をつくろふための嘘]。次が「当季雑詠」=①[空也忌や吐けば句になれ我が言葉]]。同②は[別記]します。当日出題の席題①「泥鰌掘る」=[悪餓鬼で泥鰌掘らせば名人で]。同②[丸]≅上掲出句[丸窓は「悟りの……」]の五句でした。実はこの五句に意味があるのです。これまでにも何度か書いてきましたように、当句会では五句(兼題句一句、当期雑詠句二句、当日の席題句二句)を出句し、会員の互選をいたします。五句を出句をして、五句ともが特選に選ばれれば、それは最高受賞点とでも呼ばれる榮譽でしょう。会亭の記憶では誰も達成していないと思います。今回、惜しくもこの最高受賞点を逃がしてしまったのが武さんです。回りくどい書き方をしましたが上記四句は全て特選句でした。
逃してしまった要因はの当季雑詠②の[幾度目の禁酒の誓ひ神の留守]が一応秀作にはなっていますが、特選を逃してしまいました。つまり当季雑詠の二句目も「神の留守」で投句してしまった結果です。結果論ですがこの句をやはり出句したかったのでしょう、この時点では他の四句がすべて特選句に選ばれことなど誰もわかりません。もちろん本人もわからずに、この五句目を投句しています。本人的には「神留守や……」の句よりも自信があったかもしれません。だが一般的には「神の留守」と「禁酒の誓ひ」の取り合わせは安易であり、類句も多いとみられていたのではないですか。意識して達成できるものではないだけに、惜しいことをしました。でも、誰かが何時かは達成するでしょから期待して待ちましょう。
◆特選以外の秀作・佳作については、新ブログ[パソコミ誌『あ』の電脳版]http://a-houshin.hatenablog.com/に掲載しています。まだテスト版ですが、おいおい充実させてゆくつもりです。ご覧いただき・ご支援ください。


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