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浜田山通信 №277 [雑木林の四季]

Go To コロナ

           ジャーナリスト  野村勝美

 アメリカの大統領選挙は、何はともあれ、バイデンが勝って良かった。トランプ大統領は毎日ゴルフ漬けで、投票に不正があったとか、数えなおしをしろとか言ってごねており、敗北宣言をしようとしない。大統領選挙は、まず敗北宣言をしたあとで勝者が勝利宣言をするのだが、トランプはいっかな敗北宣言をしようとしない。主要メディアは彼の記者会見を途中で切ってしまった。
 スエーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんはトランプ大統領がツイッターで「開票を止めろ」とツイートしたことに対して「落ちつけ、ドナルド、落ちつけ」と忠告した。みごとなものだ。トランプは反発のしようもない。昨年12月米誌タイムが今年の人にグレタさんを選んだ時、トランプが「落ちつけ、グレタ、落ちつけ」とからかった。そして「とてもばかばかしい。友達と古き良き映画でも見に行った方がいい」と付け加えた。グレタさんは今回トランプの投稿と同様に「とてもバカバカしい。ドナルドは怒りの制御に取り組んで友だちと古き良き映画を見に行った方がよい」と述べ、投稿は半日で百二十万通に達したという。やりたい放題のトランプもかなう相手ではない。
 とにかくバイデンが勝ってよかった。バイデンは若い時に最初の夫人と娘さんを交通事故で亡くし、長男にも脳腫瘍で先立たれた。対するトランプはニューヨークの不動産王の息子に生まれ、若い時からやりたい放題、結婚も二度しているし、子たちも立派に育っている。何事もどハデなことが好きで、就任早々北の三代目と会ったり、中国の親分をフロリダの別荘に招いたりした。負けることが大嫌いなので新型コロナにかかったと自己宣伝し、たったの三日で治ったと外へ飛び出した。「コロナなんてただのカゼみたいなものだ」とうそぶいて、マスクもせずに飛び歩いた。おかげでホワイトハウスがクラスター化したが、大騒ぎにならなかった。アメリカの新型コロナ患者はみるみるふえて感染者は1040万人、死者23万人。インドやヨーロッパでは第三波が来ており、日本でも雲行きが怪しい。
 トランプは何はさておき経済第一主義だから、年寄りが何万人死のうが、医療体制が崩壊しようが、どうということはない。むしろ金ばかりかかる老人や貧乏な黒人など減ってくれればよいと思っているに違いない。いくら人の良いアメリカ人でもこれではマスクをかけ、大規模集会などやらなかったバイデンの票が増える。
 わたしはコロナと経済は両立しないと思う。いま盛んに宣伝しているGo Toキャンペーンも政府がわずかな金を出し、旅館や観光産業に恩を売ろうとしているのだが、昨年まで日本中にあふれた外国からの観光客は、自分たち自身がヨーロッパなどでひどいことになっているのだからどうしようもない。Go Toなんとかのおかげで北海道はじめ全国に第三波が押し寄せており、政府はそれでもいまのまま強行しようとしている。


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