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私の中の一期一会 №223 [雑木林の四季]

    トランプ大統領はウイルス検査で「陰性」に。選挙集会再開で支持拡大を図る
  ~「感染してるなら集会に出るのは暴挙だ」とバイデン候補もあきれ顔だった~

             アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 新型コロナに感染したトランプ大統領は12日、「検査で完全に陰性になった。明日フロリダに行く。勝たなければいけない選挙だ」と吠えて、コロナからの復活をアピールした。
 ホワイトハウスが「トランプ大統領(74)とメラニア夫人(50)がコロナ検査で陽性になった」と発表したのは現地10月2日のことであった。
 11月3日の大統領選挙の投票日まであと1か月という追い込みの大事な時期に、コロナに感染するとは・・
 全米各地で大規模な選挙集会を開いて支持基盤の活性化を図ってきたトランプ大統領にとって、タイミングは最悪の事態だっただろう。
 現職の大統領といえども新型コロナに感染すれば隔離を余儀なくされ、選挙運動も事実上中断せざるを得ないのではないか・・・
 それでなくても劣勢が伝わってくるトランプ大統領に焦りがない筈はない。
 アメリカでは大統領選挙の投票日が近づく10月に、突発的な出来事が起こり選挙の流れが変わることがある
「オクトーバー・サプライズ」と呼ぶそうだが、まさに前代未聞のサプライズであった。
 トランプ大統領の病状は軽いというハナシだったが、2日午前に高熱が出て血中酸素濃度が低下したため酸素補給が行われたという。
 ワシントン近郊の陸軍医療センターに緊急入院してからは、ウイルス治療薬「レムデシビル」や抗炎症作用があるステロイド剤「デキサメタゾン」の投与が行われた。
 ホワイトハウスによると、大統領は医療専門家の助言もあって〝承認されていない薬”の投与も受けた。
 アメリカの大手製薬会社「リジェネロン」が臨床試験を続けている抗体治療薬「モノクロナ-ル抗体カクテル」の投与だった。
 安全性や治療効果がまだ充分に立証されていない薬の投与には不安視する声もあったようだが、人道的な見地から特別措置として投与したとリジェネロン社は語っている。
 その他、免疫力向上のため亜鉛やビタミンDなども服用したという。 
 74歳のトランプ氏は〝重症化し易い高リスク層”に属するだけに、長期入院の可能性もあった。 
「勝たなければならない選挙」なのに、選挙運動の中断は致命傷になってもおかしくない。
 入院から僅か3日後の5日午後6時半すぎ、トランプ大統領は医療センターからマスクをつけて姿を現わした。こぶしを握り締め,親指を立てて健康状態をアピールしてみせた。
 医療センターでは「すぐ選挙運動に戻る。フェイクニュースはニセの世論調査ばかり出す」とツイートしていたが、病室に戻らずそのまま専用ヘリでホワイトハウスに戻ってしまった。
 この〝強行退院”について、大統領の主治医は「困難から完全に脱していないかも知れないが、問題のない病状から退院することに同意した」というコメントを出した。
 ホワイトハウスに到着後は「コロナに生活を支配されてはいけない。コロナを恐れるな!」とツイートしたというからもはや制御不能である。
 また「我々は仕事に戻る。前に出ていく。私は危険だと知っていたが指導者としてそうする必要があった。今はだいぶ良くなった。恐らく免疫も出来ているだろう」と強気の言動に終始した。
 大統領は約2週間の隔離期間を経て、15日に予定されている2回目の候補者討論会に出席したい考えだと伝えられていたのに・・・である。、
 SNSには〝言ってること”と〝やってること”がメチャクチャすぎて信じ難いという投稿もあった。
 バイデン候補は「感染しているなら集会に出るのは暴挙だ。集会に出るべきではない」と6日に出演したテレビで話していた。
 トランプ大統領の早すぎる退院強行についてジャーナリストの青木理氏が「感染予防的には信じ難い行動だ」と批判している。
 青木氏は「ホワイトハウス内では報道官などスタッフにクラスターが起こっていた。
 多数の濃厚接触者を全員2週間隔離しなければならないのに、米軍医療センターの医師はトランプ氏のパフォーマンスのために人の命を危険にさらす決定をした、これはもう狂気である」と怒った。
 トランプ氏は陰性の判定が出ていなかったのに、退院を強行していたのだ。
 大統領が「陰性」になったことを公表したのは12日である。
 恐らく体調はまだ万全ではないだろうが早速、激戦州の一つフロリダを皮切りに選挙活動を活性化させている。
 トランプ大統領は支持率では劣勢が伝えられているので、残り3週間で巻き返すしかない。
 ロイター通信などが14日に公表した世論調査を見ると、激戦州の一つである南部フロリダで大統領の支持率が伸びてバイデン氏とほぼ互角になってきたことが分かった。
 バイデン49%、トランプ47%である。 
 アリゾナ州ではバイデン51%に対し、トランプ41%で10ポイントも差がついている。
 ミシガン州はバイデン支持が51%に対し、トランプ支持は43%と前週から変わっていない。
 しかし、ノースカロライナではバイデン48%、ランプ47%で互角だが、前週は両者47%で並んでいた。
 新型コロナ対応についての質問では、バイデン氏のほうがうまく対応できるという回答がミシガンで51%、ノースカロライナでは47%だった。
 トランプ氏はミシガンが47%でリードされたが、ノースカロライナは52%で上回っている。
 経済運営についてはトランプ氏のほうが、ミシガンでは互角だったが、ノースカロライナでは大差でトランプが支持されているのだ。
 今後は東部ペンシルベニア州など激戦州で集会を開き、支持の回復に邁進することになる。
 ドキュメンタリ-映画のマイケル・ムーア監督は、大のトランプ嫌いで知られた人物だ。
 トランプ大統領を徹底批判したドキュメンタリー映画「華氏911」を私も観た。
 そのムーア監督の発言を見つけて読んだが面白かった。
「トランプは選挙で劣勢と言われているが、彼は病気で同情を得られることを知っている。コロナ感染を武器として使用することを恥じとは思わない。
 感染を装うことでメディアが流すネガティブな情報から目をそらそうとしているのだ」・・
 ホントはコロナに感染してないと言いたげである。
「投票に行こう。全てに疑問を持とう。トランプの感染を最終的に確認したとしても、黙って座っていてはダメだ。トランプは病気を自分の利益のために使おうとしているのから・・」とマイケル・ムーアは力説している。
 遠からずやって来るであろう日本の衆議院選挙に「投票に行こう。黙って座っていてはダメだ」と言われているような気がしている。

 

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