SSブログ

浜田山通信 №275 [雑木林の四季]

ファシズム復活

          ジャーナリスト  野村勝美

 私は、菅首相が酒を呑めず甘いもの好きだというので最初親近感を持ったが、それが私の早とちりだったことが暴露した。彼は秋田の山の中の貧乏百姓の出でもなく、たたき上げの苦労人でもない。第二の故郷、横浜の林文子市長がカジノ誘致を表明した昨年8月、反対した前横浜港湾協会会長、藤木幸男氏を裏切り、カジノ関連法案を成立させた。藤木会長は、地盤も看板もなかった菅氏を市議時代から支援してきた大恩人なのだが、自分のためになることなら恩人を裏切ることなどへでもない。横浜カジノ問題はいずれ再燃することまちがいない。
 トランプがバイデンに代わったところで、日本からいろいろむしりとろうとするアメリカの姿勢は変わらない。一時期アメリカとの貿易でもうけさせてもらったが、もちろん思いやり予算とか防衛関連費でむしりとたられている。 日本人の多数派が、アメリカに守ってもらわなければ、中国や北朝鮮やロシアに対抗できないと思い込んでいることも確かだろう。だから自主独立は絵に描いた餅の類だと思う。自立には長い道のりが必要だ。
 それよりもっと怖いことがある。為政者の独裁化である。私がぞっとしたのは、日本学術会議問題。何十年ぶりかでファッショ、ファシズムという言葉を思い出した。たぶん菅首相自身知らないかも知れないが、 彼の生まれた70年前、学生だった私たちは毎日のように「ファッショ反対」のデモをやっていた。強権政治のことをファシズムと言っていたのだが、私の学生時代に吹き荒れたレッドパージのことをさしていた。たとえコミュニズムが悪だとしても、権力を行使して排除するものではない。そのことはもう何十年も日本でも承認されていたことで、それは戦前の言論、学問の自由独立に対する弾圧反対から学び取ったことだった。
 菅首相が最初にやったことがらが、日本学術会議の推薦した会員候補6人を任命拒否したことだ。日本学術会議は、学問の自由独立の建前からあらゆる政治権力から独立した組織である。それを推薦した105人のうち6人を実名をあげて菅首相は任命拒否した。6人のうち私の知っているのは加藤洋子東大文学部教授だけである。それでも、彼女の著「日本人は戦争を選んだ」は、なぜ日本人が日清日露からこの前の戦争まで、繰り返し戦争を選んだのかという疑問に答えたもので、小林秀雄賞を受賞している。これでは小林秀雄存命なら彼まで学術会議会員にさえなれなかっただろう。
 指名した99人の名簿を見たのか見なかったのか答弁はあいまいだ。「総合的、俯瞰的に」判断したというが、どんな優秀な人間でも105人もの学者の業績を判断するなんて不可能だ。要するに担当役人から上がってきた答申をそのまま発表した。役人は菅首相が「任命拒否」を喜ぶだろうと思ってのことだ。菅首相の本質を暴露した大事件である。

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。