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草木塔 №73 [ことだま五七五]

銃後 3

           俳人  種田山頭火

   遺骨を迎へて

いさましくもかなしくも白い函
街はおまつりお骨となつて帰られたか


   遺骨を抱いて帰郷する父親

ぽろぽろしたたる汗がましろな函に
お骨声なく水のうへをゆく
その一片はふるさとの土となる秋
みんな出て征く山の青さのいよいよ青く
馬も召されておぢいさんおばあさん


『草木塔』青空文庫

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