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雑記帳2020-9-15 [代表・玲子の雑記帳]

2020-9-15
◆「プラスチックなくしたい!~レジ袋削減の先に」のオンライン交流会を実施しました。

2012年から多摩地域で活動する消費者団体が連携して行う、年に一度の交流会のテーマはプラスチックに決まりました。

この7月からスーパーーやコンビニなどのレジ袋が有料になりました。長年、有料化が求められていましたが、客が離れるという業界の強い反対もあって実現しませんでした。しかし、レジ袋を使わない日常が始まってみると、コンビニでのレジ袋辞退率は75%という意外な結果、なかなかの好発進です。

9月7日の開催にはコロナの為草々にオンラインでの実施が決まりました。
一緒に活動している仲間は高齢者も多く、パソコンやスマホの扱いに慣れていない不安はありましたが、呼びかけには90名を超える参加がありました。

多摩交流会チラシ.jpg

当日はDVD「プラスチックの行方~リサイクル日本の幻想」視聴と、東京農工大学教授・高田秀重さんの講演、流通と生産を扱う生協の取り組み紹介という組み立てでした。

DVDは「日本がプラスチックごみを海に流しているというのは誤解です」という安倍首相のパフォーマンス画像から始まります。(安倍さんは本当かどうかは別として、両手を広げて世界にアピールするのが好きです。オリンピック誘致の時に福島が完全にunder controlだと言った時もそうでしたね。)
それこそが誤解であることはすぐにわかります。確かに日本の海岸に打ち上げられた大量のプラスチックごみの中にmade in Japanはみあたりません。しかし、海はつながっており、ハワイ島の海岸で見つかる一番多いプラごみは日本製なのです。

1950年代200万トンだったプラスチックの生産量は今や4億トン、200倍です。
それに伴って大量に廃棄されたプラスチックをとおして魚の体内にとりこまれる環境汚染が問題になりました。
その危険性にまず注目したのは実はルワンダ、タンザニア、ケニアなどアフリカの、途上国と呼ばれる国々でした。 アメリカではカリフォルニア州がそのあとに続き、2016年には900か国が使い捨てプラスチック容器の規制をしています。

その動きの中で、中国は資源としてプラスチックごみを受け入れてていました。日本の分別されたプラスチックごみは中国に輸出されることで処理されていたのです。その中国でさえ2017年に輸入禁止をしたのは周知のことです。

日本では1995年に容器包装リサイクル法が施行され、2017年には900万トンの86%が有効利用されていることになっています。
2019年にはG20サミットで、大阪ブルーオーシャンビジョンが示され、(先の安倍首相のパフォーマンスはこのときのものです)使い捨てプラスチック削減ももりこまれました。
一見、日本はプラごみの先進国のようにみえますが、実はここで言われる「リサイクル」の殆どが焼却だということを私たちは知らなければなりません。真のリサイクルはほんの一部にすぎないのです。

容器包装リサイクル法は、使用済みのプラスチックを回収する仕組みを作ったものの、問題をかかえながらの出発でした。
回収・処分の費用は企業に対して市町村の負担がはるかに大きく、負担に耐えられない自治体はサーマルリサイクルに頼らざるをえません。焼却で発生する熱を地域に還元するという側面はありますが、CO2発生という別の環境問題を抱えることになるのです。
海外の流れを見ると、日本はむしろ後進国です。
ドイツでは容器包装の回収費用は企業が負担しています。

中国だけでなく、東南アジアの国々でも規制が始まって、プラスチックごみを処理コストの安い途上国に依存していた日本は、行き場を失ったごみがたまりはじめました。結果、焼却による問題を抱えたまま、環境省は焼却をすすめています。
輸出や焼却への依存を脱するためには、つくってしまうと将来につけをまわすことになるという認識をもって、脱プラスチックのために選択肢を増やすことが必要です。

現在、プラスチックが石油生産量に占める割合は8~10%ですが、2050年には20%になるといわれています。最もリサイクル率の高いペットボトルでさえ回収率は89%ですから、1%が海に出るだけでも数千万本になるのです。

流れている間に紫外線によって劣化し細片化したプラスチックが、マイクロプラスチックです。マイクロプラスチックは使い捨ての容器だけでなく、スポンジや人工芝、タイヤ、化粧品のマイクロビーズなどさまざまなものが原因になります。化学繊維は洗濯のたびにマイクロプラスチックを生じています。
こうして世界の海には今50兆個ものマイクロプラスチックがあるといわれています。
このマイクロプラスチックを海洋生物が餌と間違えてとりこんでいることが昨年多くの人々の関心をあつめました。さらに食物連鎖によってマイクロプラスチックは生態系のすみずみにおよんでいます。

マイクロプラスチックの問題だけではありません。
プラスチックには、性能を維持したり、使いやすくするために多くの化学物質が添加されています。色や柔らかさを奪う紫外線の吸収剤は欠かせません。 劣化を抑えるための紫外線吸収剤はペットボトルのふたにまでつかわれています。
添加材の一部は水や食べ物にとけ、環境ホルモンとして、生殖に関係するだけでなく、アレルギーや免疫力の低下をひこおこすといわれています。

プラスチックの半分を占める容器包装の廃棄は、管理して海へ流れるのを止めなければなりません。そのためにはどうすればいいのか。
埋め立てれば土中で分解して有害物資が染み出し、川を汚染することになります。
焼却すれば、(現在日本では7割がサーマルリサイクルとして焼却されています)CO2発生による温暖化を促進することになります。
さらに高性能の焼却炉はダイオキシンの発生は防ぐことはできますが、高温の焼却炉の寿命は30年しかなく、一基100億円もかかるという、きわめてコストの高いものなのです。
今話題になっている植物由来の生分解性プラスチックも、完全に分解するすることはなく、中途半端に分解して細かくなったものはマイクロプラスチックになってしまいます。

リサイクルも完全ではありません。                      
まずリサイクルには手間も費用もかかることを覚悟しなくてはなりません。
そしてリサイクルするたびにポリマーの質は低下するので、無限にリサイクルできるわけではないのです。

結局のところ、使用量を減らすことしかありません。
まず、3R(reduce(減らす)>reuce(再利用する)>recycle)を徹底し、優先順位をつけることです。先ず減らすことを最優先する考え方です。
使い捨ての弁当箱、ポケットテイッシュ、液体洗剤などを断る(refuse)ことも必要です。
詰め替え容器はボトル容器に比べて環境にやさしいと考えてはいけません。プラスチックを何層も重ねた詰め替え容器は決してエコではないのです。

リサイクルが最後とはいえ、大切です。リサイクルしやすい商品のデザインや流通の仕組みは徐々にできつつあります。
たとえば、化粧品会社のLUSHは、液体の化粧品を固体化することで、パッケージをなくしました。

7月から有料になったレジ袋について、プラスチック総量のわずか2%にすぎないレジ袋を有料化することにどんな意味があるのでしょうか。
実はレジ袋は他のプラスチック製品よりも多くの有害な添加物がつかわれており、レジ袋自体が直接海洋生物に影響をおよぼしています。それが削減されることは、思っていた以上に効果があることがわかりました。
レジ袋有料化から始まる他のプラスチックごみ削減への道を開くために、環境省はその道筋を示してほしいものです。

農工大では上記の3Rにrenewable、resaearchを加えた5Rキャンパスとして脱プラ宣言をしました。キャンパス内に給水器を設置して、ペットボトルを0(零)に、レジ袋も廃止。プラスチックフリーや再生可能な(renewable)素材のグッズを採用する。バイオマスの研究(research)を通して3Rを進める。それらの取り組みが今、各方面から注目されています。

コープデリの宮川さんからは生協の取り組みを紹介してもらいました。客の利便性を優先する現場では一気に削減を進めることが難しい場面もありますが、SDGSの取り組みに貢献したいと、refuse、reduce、reuse、ecycle、renewableの意識がが根付いていることを学びました。メーカーや流通の現場でも脱プラスチックの動きは始まっているのです。

◆今年もアールブリュット立川展が開かれました。2015年に始まった同店は今年で6年目になります。

アールブリュットポスター.jpg

アールブリュットとは、「加工されていない、生(き)のままの芸術」という意味のフランス語で、画家のジャン・デュ・ビュッフェによって考案された言葉です。
英語では「アウトサイダ―」と称され、伝統や流行教育などに左右されず自身の内側から湧き上がる衝動のままに表現した芸術と言われています。
日本では、知的障害者の制作する美術を指すことが多いようですが、世界でも高く評価されているということです。
9月2日から15日までは市内の高松学習館で、9月16日からは伊勢丹で開かれます。

実行委員長の松島ゆかりさんによると、始めた当初はアール・ブリュットについて知らない人が多かったが、毎年開催したことで多くの方に、その魅力を知ってもらえるようになったそうです。特に今年はコロナの関係でアート展示が中止になることが多く、開催を喜ぶ人も多いということです。

今年のテーマは「エコ」。廃材、段ボール、糸くず、フルトップ、新聞紙などを使った作品も出品されました
学習館に伺って写真をとらせてもらいました。
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IMG_9556 のコピー.jpg
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会場で一案の大作『カンブリア』
作者の鈴木晧平さんはヒラメの独特の世界観があり,それをモチ-フにした絵を描くことが多いそうです。

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