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私の中の一期一会 №220 [雑木林の四季]

      持病の潰瘍性大腸炎の再発を理由に安倍首相が「辞任の意向」を表明
  ~「国民の負託に自信を持って応えられる状態ではなくなった」とのこと~

         アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 安倍晋三首相は28日夕方,首相官邸で行われた記者会見で持病の潰瘍性大腸炎の再発が分かり、体調が悪化したことを理由に「辞任する意向である」と正式に表明した。
 連続在任日数が8月24日で2799日に達して我が国の憲政史上で最長となった。
 それから僅か4日しか経っていないのに突然の辞任とは・・私はいささか違和感を覚えている。
 新型コロナウイルス感染拡大の渦中でもあり、「治療を続けながらでも最高責任者としての使命を全うしたい」と言うのが普通の感覚ではないのかと思うからである。
 菅官房長官がこの会見の前日に「体力、気力は大丈夫だ。来年9月の任期一杯まで職務を全うするだろう」と記者会見で発言していたから、突然の辞任表明に政界でも驚いた人が多かったようだ。
 首相側近の一人、萩生田文科相は知らなかったようで「報道が事実なら・・」と驚き、遺憾の様子だった。
 コロナ対応の西村経済再生担当相は「全く想像出来なかった。ここ何日も普段と変わらない様子だったのに」と首をかしげた。
 稲田朋美幹事長代理も「突然なことで」と当惑気味だった・・というように自民党内でも寝耳に水の辞任表明だったようである。
 安倍首相の説明によると、6月の定期健康診断で首相は〝潰瘍性大腸炎の再発の兆候”がみられると医師から告げられていた。
 7月の半ば頃からは体調の異変を感じていたが、今月17日の診察で〝持病の再発”が確認された。
 この日、首相が慶応病院に7時間半も滞在したことから、「首相に異変が生じたのではないか?」という憶測が流れ、永田町に首相の健康不安説が広まっていった。
 通常なら首相の体調情報がそう簡単に表に流れてくるものではない。
 今回、体調不安説が表面化したウラに何かあるのではないかという憶測が出ても不思議ではないが、あまり問題になっていないようである。何だかヘンに思うのは私だけだろうか。
「新しい薬による治療は〝継続的な処方”が必要で予断は許されない」という説明があった。
 辞任の意向を固めた時期については、「今週24日に診察を受けた後だ」と首相は会見で明らかにした。
「新体制に移行するのであれば、このタイミングしかないと判断した」とも述べている。
 持病の再発を受けて「国民の負託に自信をもって応えられる状態ではなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではないと判断した。総理大臣の職を辞することにいたします」と述べ、コロナ禍への対応のさなかの辞意表明に「国民の皆様に心よりお詫び申し上げます」と陳謝した。
 この日は会見に先立ち、自民党本部で二階幹事長と、国会内で公明党の山口代表とそれぞれ会って、辞任の意向を伝えている。
 後任が決まるまで臨時代理は置かず、しっかり責務を果たすとも述べた。
 辞任後は体調の回復に努め、一議員としての活動は続けたいと語り、政界引退は否定している。
 安倍政権のコロナ対応は後手、後手にまわり迷走を続けた。
「アベノマスク」や「自宅で優雅にくつろぐ動画」、「一律10万円の給付遅れ」などで国民の批判を浴びる始末。
 新規感染者数は夏に入って増加傾向となり7月にピークを迎えたと言われているが、この間首相が指導力を発揮することは一つもなかった。
 宣言解除後、感染が地方にも拡大し国民の不安が高まったが,首相は約70日間、コロナ対応を話す記者
 会見を一度も開かなかった。
 マスコミ各社の世論調査でも、6割の国民が政府のコロナ対策を〝評価しない”と答えている。
「戦後レジームからの脱却」を掲げた第1次政権は短命に終わったが、第2次政権では、アベノミクスで景気回復をアピールして内閣支持率を安定させた。
 一方で長期政権の弊害が目立ったのはいただけない。
 幹部人事権を官邸が握ったため、霞が関の官僚は政権への「忖度」が当たり前のようになった。
 安倍政権は現状維持のために「立法府の空洞化」を進めたと言われている。
 国会軽視が常態化したのだ。
 出来るだけ国会を開かない。問題があってもなるべく国会には出ない。国会に出ても重要なことは発言しない・・ナイナイずくしだ。
 党の人事や国会運営では「党のことは幹事長に任せている」と言い、「国会のことは国会でお決めになること」といって躱す。
 公文書は「ない」と言って隠し、情報を隠蔽するなど〝やりたい放題”であった。
 国有地を8億円も値引きして売却した森友学園問題や、財務省が〝公文書を改ざんする”というあってはならない事態が発生したのに財務省幹部らは不起訴処分になった。
 こうした不祥事を刑事告発してきた神戸学院大の上脇博之教授は「これまでやったことへの説明責任は果されていない。総理を辞めても説明責任は残る。桜を見る会は安倍さん本人の問題なので、安倍さんしか説明できない」と述べた。
 教授は、モリ・カケ、桜の問題が安倍辞任で風化することを懸念しているのであろう。
 森友問題を最初に提起して追及を続けてきた大坂府豊中市の木村真市議は「菅官房長官や麻生副総理が後任になったら〝過去の問題”として片付けられ真相解明が困難になるだろう」と懸念を示した。
 加計学園の問題についても、市民団体「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代表は「安倍さんが総理を辞めることで問題が風化することを危惧している」と述べ、そうならないよう活動を続けると力を込めた。
 事ある度に、「責任を痛感する」と言いながら、最後まで一つも責任をとらなかった。無責任首相という悪名が語り継がれるのは間違いない。(ネットにあったツイート)
 公文書の改ざんを苦にして自殺した赤木俊夫さんの妻は、一日も早い回復を祈りますと安倍首相の体調を遣った上で、後任の首相には「夫がなぜ自死したのか、有識者による第三者委員会で公正中立な調査を実施して欲しい」と改めて要望した。
「ポスト安倍」について自民党は、明日9月1日に総務会を開き、14日の両院議員総会で総裁選を行う方針を固めたと二階幹事長が明らかにした。
 党員投票は行わず国会議員票394票と都道府県代表の141票の合計535票で争われる。
 有効投票の過半数を得た人が新総裁に当選する。
 過半数に達する人がいなかった場合は、上位2人の決選投票になる。
 新総裁の任期は、安倍首相の残りの任期2021年9月末までである。
 菅義偉官房長官、石破茂元幹事長、岸田文雄政調会長、河野太郎防衛大臣らの名前が挙がっているが、まだどうなるか不明である。
    「安倍辞任」が決まって私はホッとしている・・・二度と戻るなよ!


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