草木塔 №71 [ことだま五七五]
銃後 1
俳人 種田山頭火
天われを殺さずして詩を作らしむ
われ生きて詩を作らむ
われみづからのまことなる詩を
街頭所見
日ざかりの千人針の一針づつ
月のあかるさはどこを爆撃してゐることか
秋もいよいよふかうなる日の丸へんぽん
ふたたびは踏むまい土を踏みしめて征く
しぐれて雲のちぎれゆく支那をおもふ
『草木塔』 青空文庫
2020-08-29 17:23
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