SSブログ

私の中の一期一会 №219 [雑木林の四季]

新型コロナウイルスは遺伝子の変異が速い、日本ではウイルスが弱毒化しているのか?
~「東京中心に拡大するウイルスは遺伝子配列が変化している」と国立感染症研究所~

       アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 言うまいと 思えど今日の 暑さかな・・
 言っても仕様がないが、連日ホントに暑い、暑過ぎる!
 何しろ、体温より高い暑さにもなるのだから、命の危険を孕んだ暑さだと言える。
 初めて経験するコロナの夏はウイルス感染予防に加えて、熱中症にも気をつけなければならない。
 時事通信が行った8月の世論調査によれば、安倍内閣の支持率が32.7%となり、第2次政権発足以降では下から2番目に低い水準にまで落ち込んだ。
 不支持は7月の調査より2ポイント増えて48.2%、これも2017年7月の不支持率48.6%に次ぐ高い数字であった。
「支持しない」理由は、「期待が持てない」からが25.9%。「首相を信頼できない」も25.7%で、「政策がダメ」の18.7%などが目立った。
 感染が全国へ拡大している中、政府が〝GoToトラベル”を前倒しで始めたことについて「適切だ」と答えた人は、たった9%しかいなかった。
 反対に。「早すぎる」と答えた人は82.8%で大半を占めている。
「緊急事態宣言を出すべきだ」も54.5%と半数を超えている。
〝泥船”安倍政権は、いよいよ沈没寸前に追い込まれたといってもいいかも知れない。
 小池都知事は「お盆の帰省はお控えください」と要請しているのに、政府は、GoToトラベルを強行して〝帰省の自粛”も求めていない。
 5月21日に緊急事態宣言が解除されてから、経済活動の再開と共に新規感染者数はジリジリと増加に転じていた。
 7月に1日で400人を越えた時など「第2波か?」と危機感を覚えた人も少なくなかったのではないか。
 だが、安倍首相は1か月以上沈黙を続けて何もしなかったのである。
 東京都医師会の尾崎治夫会長は「お盆休みに人の往来が増えれば、ウイルスを持った人との接触機会も増えることが予想される。
 お盆明けの8月最終週あたりから9月中旬まで、さらに感染者が増えていくに違いない。
 新宿歌舞伎町でのクラスターが、今になって大坂や福岡、愛知、沖縄など大きな都市へ移って感染を広げている。
 すでに東京問題は全国問題に変わっているのではないか」と記者会見で指摘していた。
 国立感染症研究所が8月になって公表した見解がネット上で記事になっていた。
 それによると、緊急事態宣言が解除されて以降、東京を中心に感染を拡大させたウイルスは、それまでのウイルスと〝遺伝子配列が変異している”ことが分かった。
「東京型」とでも言うべき新しいウイルスが全国に急拡大しているというのが感染症研究所の見解てある。 
 今年の1月に国内で最初に見つかった感染者は、中国・武漢市を発生源とするウイルスに感染していた。
 この「武漢型」がヨーロッパに伝わると、そこで遺伝子配列に変化が起こって「欧州型」になった。
「欧州型」は3月に、ヨーロッパからの帰国者によって日本に持ち込まれている。
 欧州型が国内各地で多発的にクラスターとなって感染が拡大したため、政府は緊急事態宣言を出して対抗せざるを得なかった。
 宣言解除の後、6月頃から東京を中心にクラスターが多発して感染が拡大しているが、このウイルスを分析したところ〝欧州型から変異したもの”になっていたのである。
 国立感染症研究所の話では、「新型コロナウイルスの遺伝子配列は1年間に24.1カ所が変化する」とされる。
 これは1か月に2カ所が変化することになるそうで、6月に確認された「東京型」は、3月に国内で確認された「欧州型」から6カ所が変化していた。
 3カ月で6カ所が変異していたから、変異のスピードは合致していることになるという。
 今では「武漢型」は日本では確認できなくなった。
 イタリア・サンスルチノ病院でコロナウイルスの最前線で治療にあたっていた医師のマテオ・バセッティ教授は英紙ザ・テレグラスのインタビューを受けた5月頃に次のように語っていた。
「3月から4月あたりのウイルスと、現在(5月頃)の感染拡大を続けているウイルスは違い、あきらかに変異したものだ。
 少し前までは重症肺炎で人工呼吸器を必要とする患者が多かったが最近は、患者の数は減らないが軽症で済む人が多くなった。
 初めの頃はイタリアでも、高齢の感染者が2~3日で死亡していた。しかし最近の患者は器械に頼らずに呼吸が出来ている」と語っていた。
 このハナシがSNSなどで取り上げられ「ウイルスは弱毒化しているのではないか」と話題になったようだが、医学的に研究された訳でもないので、現場の医師の実感でしかないと捉えられていたという。
 一般的に、ウイルスは〝強毒であり続けることは出来ない”ようだ。
 何故なら、強毒では人が死んでしまうことが多く、自らも滅ぶことになるからだ。
 そこで、ウイルスは自ら毒性を弱めて高い感染力は維持しながら自分のコピーを増やすのだという。
 専門家は、遺伝子配列の変化だけでは人体にどのように影響し変化をもたらすのかは判断できないと指摘している。
 日本では検査数が増えたことで〝軽症者”や〝無症状者”を発見できるようになったが、感染者全体に占める重症者の割合が小さく見えるに過ぎないとみられている。
 日本人の感染者数や死亡者数が欧米などに比べて比較的少ないのは何故なのか?について、未だに科学的根拠を示せない以上〝ウイルスが弱毒化した”とみるのは早計だという見方になる。
 がん治療薬「オプジーボ」の開発に大きく貢献したノーベル賞の本庶佑さんは「このウイルスはインフルエンザウイルスやHIVウイルスのような「DNA」ではなく、「RNA」という遺伝子を持つ新しいウイルスだ。
「DNA」は二重らせんで安定的な構造を持っているが、「RNA]は一重らせんで構造が不安定なのだ。 
「RNA」ウイルスは 構造が不安定だから遺伝子が変化し易いという特長がある。
 インフルエンザワクチンを接種したのに効かないということは珍しくないが、それはウイルスが変異するからなのだ。
 ウイルスが変化してしまうと効きにくいか、全く効かないということが起こる。
 新型コロナウイルスは中国で発生が確認されてから、5月末頃までに数回の変異があったという報告もある。
 今開発中のワクチンも、開発当初と異なる遺伝子のウイルスになっているかも知れない。
 そう考えると、せっかく開発したワクチンも一部のウイルスにしか効かないということもあり得る。
 感染症の専門医で、コロナ治療の最前線で奮闘する忽那賢志医師は「感染のピーク時には入院患者1413人に対して重症者は105人もいた。
 しかし、最近は入院患者1105人、重傷者16人というように患者数に比べて重症者は多くない。
 比率からすると、今は確かに重症者は少ない状況にある。
 だから「ウイルsが弱毒化した」と言えるか?というと言えないのだ。
 今は20代、30代の若い世代に感染が広がっているが、全体的に患者数が増加するにつれて高齢者の感染も増えてくるからだ。
 60代以上の感染者推移をみると、明らかに高齢の感染者も増え出している。 
 高齢者の感染数が増えれば、重症者や死者の数も増えるだろう。
 現時点でウイルスが弱毒化しているという科学的根拠はないが、ウイルスは変化するから弱毒化する可能性はゼロではない。 
 だが、新型コロナウイルスは「感染しても大丈夫です」という感染症ではない。
 猛暑に耐えながら、感染予防の基本に徹するしかないようだ・・・それにしても暑い!
  
 

nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。