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浜田山通信 №269 [雑木林の四季]

「夜の街」と水害と

           ジャーナリスト  野村須美

 新型コロナの感染者数は東京で毎日200人を越えた。20代、30代が多く、夜の街関連が48人、それ以外が158人とか発表する。夜の街とは新宿歌舞伎町と池袋で、池袋の場合は埼玉県の人が多く、埼玉の知事はなんとかしてくれと訴えている。夜の街を調べたらそりゃ感染者数が上がるのは当然、濃厚接触の最たるものだ。もっとも老生には現代の濃厚接触の実情は全くわからない。
 特に見当もつかないのがホストクラブ。私の新聞記者時代には存在していなかった。ホストという以上男がいるところだが、客が男なのか女なのかわからない。私は全くの下戸で、新聞社入社時大学の先輩に誘われて有楽町ガード下の呑み屋街へ出かけたが、ビールをコップ半分ほど呑むと心臓が機関銃を撃つがごとく高なり、何度もひっくり返りそうになった。以来歌舞伎町もゴールデン街にも行くことなくつまんねえ男で通してきた。
 私の古い頭では歓楽街、夜の街というのは男が遊ぶところだ。昔売春防止法という法律ができ、その成立を阻止しようとして保守党の政治家が逮捕されたことがある。彼の選挙区は下町の売春地区だった。東北の農村地帯では凶作の時には若い娘が売りに出された。世の中はどうすることもできなかった。戦後になって売春はいけないということになったのだが、世の中が豊かになった結果ホストクラブまでができたのか。
 私の疑問は、新聞では(スポーツ、夕刊紙は知らないが)解いてくれず、わずかに『週間文春』7月16日号が「『夜の街』ホスト・キャバ嬢の言い分」で疑問に答えてくれた。「ホストクラブは二部制になっていて、一部営業は夕方から夜中一時まで。早出の風俗嬢や一般のOLで賑わい、二部営業は日の出から昼まで。朝まで働いたキャバ嬢やガールズバーの女の子が泥酔状態で訪れる。」さすが文春砲である。TVのコメンテーターや評論家にもホストクラブやキャバクラにくわしい人はあまりいないようだ。夜の街関連は若い人が多いので、感染しても無症状が多かったり、重症化する人はいないらしい。女が男を買うということは完全に男女同権になったのか。豊島区にはホストクラブの経営者にも休業補償をするという。フェミニズムなんてどこへ行ったのだろう。
 夜の街コロナが騒がれていたころ、九州では熊本を中心に大雨が降った。球磨川が溢れ、土砂崩れが起きて60人以上が亡くなった。治山治水事業は随分と進んだはずだ。その証拠に堤防の決壊はほとんどない。水害は堤防を水が超える溢水が原因だ。川幅を広げて崖近くまで河川敷にしたが、川の水はみるみるふえて町や村に流れ込んだ。2年前にも西日本豪雨があったが、今回のはそれをはるかに上回るものという。NHKで調べたら当時上空にものすごい量の水蒸気団があったと。梅雨前線、太平洋高気圧云々の気象用語では説明のつかない、それは明らかに地球温暖化現象だ。それでも人間は経済、経済という。

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