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祖道傳東Ⅱ №21 [文芸美術の森]

第二十一図 身心脱落

     画  傅 益瑤・文  曹洞宗大本山永平寺

21.jpg

《紙本塁画彩色》 九〇×一二五 軸装

 如浄禅師が悟りの境涯を表現するのに、「身心脱落(しんじんだつらく)」という言葉を用いました。
 道元禅師はあるとき、「身心脱落」とはなんでしょうか」と尋ねました。すると、如浄禅師は「身心脱落とは、坐禅のことだ。坐禅するときには、五欲(財産・性・飲食・名誉・睡眠)と、五蓋(ごがい)(貪欲(どんよく)・嗔恚(いかり)・睡眠(ねむり)・悼悔(なやみ)・疑惑(うたがい))を除くこと」と言われました。
 つまり、如浄禅師の教えは、深山幽谷に暮らし、仏姐の教えに順じて修行に専念すべきであるという、その戒(いまし)めを道元禅師は『宝慶記』に詳しく記述しています。
 ここでは、その「只管打坐(しかんたざ)」の姿を画面の左端に描いて、道元禅師の悟りの瞬間は「不執着」の着想によって表現しています。走力溢れる顔の表情、両手を開いて前に差し出す「空手」。そして「空」の象徴としての月がことさら大きく描かれ、道元禅師の「身心脱落」の瞬間が描かれています。

『祖道傳東』大本山永平寺

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