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草木塔 №67 [ことだま五七五]

柿の葉 18

              愛人  種田山頭火

   樹明君に
 
 落葉ふみくるその足音は知つてゐる

 やつぱり一人はさみしい枯草

 落葉してさらにしたしくおとなりの灯の

 風の中からかあかあ鴉

 葉の落ちて落ちる葉はない太陽

 何事もない枯木雪ふる

 ことしも暮れる火吹竹ふく

 お正月が来るバケツは買へて水がいつぱい 

『草木塔』 青空文庫

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