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祖道傳東Ⅱ №19 [文芸美術の森]

第十九図 羅漢喜迎

     画  傅 益瑤・文  曹洞宗大本山永平寺

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《紙本筆画彩色》 九〇×一二五 軸装

 道元禅師の諸山巡礼は、「もし無上の仏道を学ばんと欲せば、はるかに宋土の知識を訪うべし」と述懐しています。わが日本の国土において、未だかつて見ること聞くことを得ない「仏の正法」が、この大宋国にあることを知ったといいます。その感激をもって一日も早く、その「正法」を学び得て帰国し、人々を放生したいと激しい意欲で修行に励みました。
 諸山巡礼の途中、道元禅師は老璡(ろうしん)という僧から如浄禅師が了派和尚の遺嘱を受けて、天童山に登ったことを聞かされました。かねてから如浄禅師の名声に接していた道元禅師は、当時臨済宗大慧派の宋朝禅林にあって、異色の禅師である如浄和尚と巡り合い、その下で修行をしてみたいと、すぐに天童山に戻りました。
 天台山石梁の寂蓼(せきりょう)とした、深山幽谷に籠って修行する禅僧たちとの心の交歓は、道元禅師にとって大きな喜びでありました。ようやく巡り逢うことの出来る師とその仲間たち。仲間に迎え入れてもらった感謝と喜びの表情が描かれています。
『祖道傳東』大本山永平寺

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