祖道傳東Ⅱ №16 [文芸美術の森]
第十六図 観音慈助
画 傅 益瑤・文 曹洞宗大本山永平寺
《紙本塁画》 九〇×一二五 軸装
道元禅師を乗せた船は、朝焼けに染まった五島福江の湊を出航します。
船団は大海に乗り出し、「航海万里、幻身を波涛に任せて」帆に風を受けながら南路に舵を切って大陸を目指します。
「我レもその当時入末の時、船中にして痢病をせしに、悪風出来ツて船中さわざし時、病忘レて止まりぬ」
として、船中で下痢を煩ったけれども、暴風雨が起って船じゅうが大さわぎした時、病気は忘れて、そのまま治ってしまったと、入宋の様子を道元禅師自ら『正法眼蔵随間記(しょうぼうげんぞうずいもんき)』巻六に述べられています。
道元禅師の乗った船は商船でありました。北斎の大きな荒波をも凌ぐ、荒れ狂う大波に呑み込まれそうに航海は続きました。恐れ慄(おのの)く船内の様子が描写され、甲板の中央で独り泰然と坐禅する道元禅師。その口元から観音経が聞こえてきます。波間に観音が現われ、道元禅師との対話が生まれた様子が描かれております。非常の時にあって、坐禅する平常心が観音との対話を可能にいたします。
『祖道傳東』大本山永平寺
船団は大海に乗り出し、「航海万里、幻身を波涛に任せて」帆に風を受けながら南路に舵を切って大陸を目指します。
「我レもその当時入末の時、船中にして痢病をせしに、悪風出来ツて船中さわざし時、病忘レて止まりぬ」
として、船中で下痢を煩ったけれども、暴風雨が起って船じゅうが大さわぎした時、病気は忘れて、そのまま治ってしまったと、入宋の様子を道元禅師自ら『正法眼蔵随間記(しょうぼうげんぞうずいもんき)』巻六に述べられています。
道元禅師の乗った船は商船でありました。北斎の大きな荒波をも凌ぐ、荒れ狂う大波に呑み込まれそうに航海は続きました。恐れ慄(おのの)く船内の様子が描写され、甲板の中央で独り泰然と坐禅する道元禅師。その口元から観音経が聞こえてきます。波間に観音が現われ、道元禅師との対話が生まれた様子が描かれております。非常の時にあって、坐禅する平常心が観音との対話を可能にいたします。
『祖道傳東』大本山永平寺
2020-04-13 19:15
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