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浜田山通信 №262 [雑木林の四季]

「自然=神」の怒り

           ジャーナリスト  野村須美

 新型コロナウイルスは「自然=神」の怒りである。自分たちの金儲けのためやりたい放題やり、自然破壊をやってきたのは誰か。地球上の生きもののうち唯ひとり、私たち人間だけがそれをやってきた。
 去年まではそれでもグレタ・トゥーンベリさんはじめ何年もの間気候変動に対して多くの人々が声を上げてきた。アメリカのジャーナリスト、ナオミ・クラインの「これがすべてを変える」上下2巻本は、気候変動について書かれた大著で現代人必読の書であるが、いっこうに自然破壊は治まる気配がない。それどころか地球全体が異常気象で燃え上がろうとしている。事実昨年のアマゾンやオーストラリアではぼう大な森林火災が発生し、何億万という野生動物が焼死した。
 さすがに国際社会も黙ってはおれず国際会議を開いて温暖化を止める方策を協議したが、日本はこの期に及んでもなお石炭火力による発電所建設を進めると公言してはばからない。経済第一、トクすることなら何をしてもOKというあさましさが人間社会にはある。 思えば、「万物の霊長」などという言葉を言い出したのも人間である。霊長目、霊長科、自ら生物の頂点に立つと宣言をして、何をしても許されると思い込み、徹底的な自然破壊を、とくにこの数10年間にグローバルにやってきた。そして人間どもは贅の限りをつくしてきた。一部の金持ちだけの仕業ではない。デパートやスーパーの食品売り場には世界中の美味珍味があふれ、毎日消費期限切れの食品が大量に捨てられた。もちろん地球上には毎日の食料にも困っている人々が大勢いる。TVで見るユニセフの食糧支援コマーシャルの映像をみるまでもない。食べ物だけではない。人間の生活環境全体にわたって、とくに北側の人間はひどすぎる。
 すべてが自然破壊につながる。プラスチックによる海浜・海洋汚染、後進国の非衛生的なごみの山。少し性質が違うかもしれないが、フクシマの核のゴミなど処分のしようがない。
 自然が憤らないわけがないではないか。新型コロナウイルスは自然=神の怒りの産物だと私はいう。少しは反省すればよいのに、ウイルスをやっつけようとする。ワクチンができるまで1年半くらいかかるという。一年半の間に世界経済はパンクするはずだ。トランプさんが200兆円というバク大な金をつぎ込んでもコロナがぶっ壊す「経済」と人間生活の破滅は計り知れないだろう。
 いやもうすでに世界中の大都市では外出を禁止し、パリやロンドンでは人っ子一人見当たらない。流通がとどこおると食料だっていつストップするかわからない。世界中の航空業界は減便に次ぐ減便で、観光・飲食業界も消滅寸前だ。東京の若者はコロナにやられても軽くすむというので熱海あたりで遊びほうけているそうだが、コロナだってだんだん強くなってゆく。いまこそ自然と折り合いをつけていく生き方をさぐらなければならないのだ。

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