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祖道傳東Ⅱ №14 [文芸美術の森]

第十四回 斬蛇護花

      画  傅 益瑤・文  曹洞宗大本山永平寺

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 《紙本墨画彩色》 九〇×一二五 軸装

 道元禅師二十四歳のとき、求法の志を立てて、中国宋への渡航を決心しました。
 道元は明全和尚や廓然(かくねん)、亮照(りょうしょう)らと一緒に貞応二年(一二二三)二月、建仁寺をあとにして、博多へと向かいます。
 博多の聖福寺に逗留(とうりゅう)しながら入宋の出航を待つ道元禅師の一行は、賑わいを見せる唐人街の百堂辺などを時折訪れたりしながら、その時を待ちます。
 ある商家の一人娘が、いつも三尺余の蛇にまとわりつかれ、だんだんとやせ衰える娘の不憫(ふびん)さを憂えた両親が、出航の風待ちをする道元禅師にその悩みを相談します。道元禅師は、その娘を旅館の一室に招き、その帰路をねらって、娘の後を追う蛇を扇の要で押さえっけ、黒衣の下から取り出した髭剃りで蛇の首を一刀両断に斬って退治しました。この逸話は『武将感状記』の中にある「妖蛇女子を
慕う事」を描いたもので、道元禅師の入宋にまつわる伝承もみられます。
『祖道傳東』大本山永平寺

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