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バルタンの呟き №69 [雑木林の四季]

「嘆きのパラサイト」

              映画監督  飯島敏宏

現在直面している格差社会を、痛烈に、しかも滑稽に皮肉った韓国映画「パラサイト」が、なんとハリウッドを席捲してアカデミー賞を獲得、韓国に対しても先進気分で東洋の映画大国を自負していた日本映画界を震撼させました。同じように格差社会を題材にした同工異曲の感があるカンヌ映画祭グランプリの是枝裕和監督作品「万引き家族」を凌ぐその娯楽性には、僕、バルタンは、手もなく脱帽させられました。

大洪水で半地下の住まいが水没してしまった貧困な家族が、あの手この手を使って富裕な家族の住む豪壮な邸宅の地下室に棲みこんでしまうという、サスペンスと笑いに包みこんで魅せる格差社会の現実を、「パラサイト(寄生生物)」という題名で括ったセンスには、文字通り魅了されてしまい、ともすれば重苦しく暗くなりがちな社会派映画のジャンルでは味わったことのない新鮮な驚きがありました。

ところで、いま、世界中を、というより最早地球人類全体を、出口の見えない混乱と恐怖に陥れている新型インフルエンザ「コロナウイルス」について、これは人間にパラサイトしようとする極めて微小な生命体なのだ、と捉える医学者がいます。コロナウイルスが人間の肉体に寄生しようとしているのだ、というのです。つまり、蔓延しようとするコロナウイルスを、抗生物質の手を借りて、叩こうというのではなく、自然に受け入れて、ウイルス自身が毒性を弱める作用に賭けようという、ともすれば、たちまち炎上してしまうかも知れない理論です。このウイルスは、人間に寄生するのですから、宿主である人間を殺してしまわないように、侵入してからは、人間の抗体に反応しながら、その毒性を自ら弱める作用をするという説です。つまり、寄生した宿主を殺してしまっては何もならないので、多くの感染症ウイルスは、宿主である人間の生命が維持出来るように、広がるにつれて潜伏期間が長期化して、弱毒化する作用をするというわけです。ですから、新型コロナウイルス感染症の治療に際して、あえて多様多種の抗生物質を対抗させて治療して、耐性を与えてウイルスの毒性を進化させてしまうのでなく、重症に至っても、あくまで対症療法で治療して、暴力的に抗生物質で叩かないことで、新型コロナウイルスと共生しながら弱毒化して融和を図ることが、パンデミックに陥らせないための療法なのだ、というのです。つまり、高熱であれば熱を下げる薬を使い、呼吸困難であれば心肺機能を高める機具を使って重症を凌いで、ウイルスと共生しながら自然に治すことが肝要だというのです。

僕、バルタン星人としては、これには共感せずにはいられません。Sf的には、自らの星を核爆発で失い宇宙漂流の果てに西暦2020数年の地球に着陸、地球人との共生を求めて拒絶撃退されたバルタン星人は、やがてさらに耐性強力化して地球を再訪、ついに人体にウォークイン(共生)することに成功して、今日に至っているのです。

太古の地球上には存在しなかった感染症ウイルスは、文明の発達とともに人間の生活を脅かす存在に進化して、世界中に広がっているのかも知れません。ひょっとすると、あなたもすでに、コロナウイルスと共生しているコロナ人間なのかもしれません。

コロナ蔓延の怖れで、禁足令が出て、政府の通達通りじっと家に引きこもっていると、こんな妄想ばかりが浮かんできて、バルタンの呟きではなく、嘆きになってしまいそうですのでこの辺で・・・


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