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猿若句会秀句選 №105 [ことだま五七五]

猿若句会特選句集 105(2020年1月18日)

             猿若句会会亭  中村 信

 初鏡ますます母に似てきたり  川上登美枝
 なずな這う荒畑はるか富士の山  原 健一
 煮凝や話せば長き後日談  丸本 武
 初詣願いの風が絵馬鳴らす  古明地昭雄
 東山昏れて祇園の初灯  中村克久
 退院の友より電話四温なり  花柳小春
 春日野に小鹿まどろむ小正月  柴田弘道
 初笑女三人総崩れ  宮島久代

◆猿若句会[初句会]の特選句集です。例により一句だけの短評から始めます。
[短評] [初鏡ますます母に似てきたり 登美枝]。前回に続いて弱っています。
聖夜劇と採りあげた時、類句の出来易い例をあげ、それらを作句する際は自己規制して欲しいと書きました。その例とは異なっていましたが、また類句を免れない句が今回の巻頭句になってしまいました。句意は解りやすいので書きません。「初鏡」に「母に似てきた」とする類句は枚挙にいとまが無い程でしょう。たまたま初句会でしたので、初鏡の季語を選んだとしてもです。「鏡をみる」たびに「母に似てきた」とするのは誰もが思うことで、最初にとりあげる措辞と云えて類句です。前回も云った以上、あえて今回もくどいですが触れておきます。確かに実感だとしても、誰もが同じ句を創っていて良い事にはなりません。作句者はもちろんですが、選句者も選ばない矜持をもって欲しいと思います。
 関東・東海に限定するわけではないが「富士山」の句を自重して欲しいとも書きました。たまたま会員への通信が遅れて目が届きにくかったことと、初句会が重なったことから今句会にも富士山の句が三句も出句されました。また、関西出身者から、富士山への思い入れも聞かされました。全面禁止といわけでなく、作句する時には個人的にもこれまでの自己作品を超えることを第一に心がけて頑張って欲しいと思うのが実情です。今回は短評にもならない内容にになってしまいましたが、まぁ年寄りの愚痴かぼやきとでも思って聞き流しておいてください。次回は近場ですが青梅で吟行を行います。少しは注目に値する句がが出句されるの期待しましょう。
◆句会での特選以外の秀作・佳作については、新ブログ[パソコミ誌『あ』の電脳版]http://a-houshin.hatenablog.com/に掲載しています。まだテスト版ですが、おいおい充実させてゆくつもりです。ご覧いただき・ご支援ください。


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