草木塔 №54 [ことだま五七五]
柿の葉 5
俳人 種田山頭火
甲信国境
行き暮れてなんとここらの水のうまさは
のんびり尿する草の芽だらけ
のんびり尿する草の芽だらけ
信濃路
あるけばかつこういそげばかつこう
からまつ落葉まどろめばふるさとの夢
あるけばかつこういそげばかつこう
からまつ落葉まどろめばふるさとの夢
江畔老に
浅間をまともにおべんたうは草の上にて
浅間をまともにおべんたうは草の上にて
碓氷山中にて路を失ふ
山のふかさはみな芽吹く
山のふかさはみな芽吹く
『草木塔』 青空文庫
2019-12-12 22:41
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