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私の中の一期一会 №201 [雑木林の四季]

        「私の判断で、『来年の桜を見る会』は中止します」と安倍首相が表明
         ~公的行事が安倍後援会のために私物化されているのではないか?~

       アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 「桜を見る会」は吉田内閣時代から歴代の総理大臣が主催して毎年、東京の新宿御苑で開かれてきた。
 8日の衆議院予算委員会で、日本共産党の田村智子議員が,今年4月の「桜を見る会」について安倍首相に質問したことから、にわかに森友・加計クラスの大きな問題としてニュースになっている。
 安倍首相主催の「桜を見る会」は第2次安倍内閣が発足した2012年から毎年行われてきた。
 田村智子議員が着目したのは、「桜を見る会」の招待客が毎年増え続けていることであった。
 参加者は14年の約1万3700人から毎年のように増え、今年は1万8200に膨れ上がった。
 当然ながら、開催費用も2014年の3005万円から右肩上がりで推移して、昨年から5000万円を超えて5229万円、そして今年の5518万円となった。
 来年の予算として5728万円が見込まれていたのである。
 問題なのは、増加した招待客の多くが、安倍総理をはじめとした自民党議員の地元後援会や公明党議員の地元後援会の人々であったことだ。
 議員が地元の後援会員らを招待し酒や料理を振る舞うこと、お土産まで持たせて帰したことは公職選挙法違反になるのではないかとう疑惑につながる。
 野党間の調べで、今年は安倍総理の地元の後援会関係者が850人も招待されていたことが分かった。
 菅官房長官は13日の記者会見で「桜を見る会」は、長年の慣例に従い内閣府と内閣官房から各省庁に推薦を依頼して取りまとめを行ってきた。
 今後は招待基準の明確化やプロセスの透明性を確保したい。予算や招待人数も含めて見直しを行う。・・としたうえで、「来年の『桜を見る会』は中止することにした」と表明した。
 安倍首相は、招待客の人選などに「私は関与していない」の一点張りだったが、安倍事務所が地元後援会の人達をツアーに招待していたことが発覚して、“公金の私物化”という犯罪にも等しい疑惑が浮上してきたのである。
 その日の夕方、安倍首相も「官房長官が述べた通り、私の判断で『来年の桜を見る会』を中止することにした」と発表したから、事態の急転に慌てて中止を決めた印象が強く残った。
 だが、何故中止にすることに決めたのかや追及を受けている後援会員らの招待問題について言及することは一切なかった。
 安倍首相の「私の判断で中止することにした」という発言についてネット上に手厳しい怒りの声が並んでいた。
「またまた逃げた! 汚い奴だ・・」
「中止だと? バッカだねえ、今まで悪いことしていたと認めたのと同じだろうが・・」
「これまでの内容に疑義があると言っているので、来年中止と言われても何の説明にならない」
「来年中止しても、今年顕著になった安倍による選挙違反行為は見逃せない。保存年限に違反した文書破棄も許せない」
「中止も、見直しも、「時間稼ぎする」と言ってるようなもの。本当に(国民を)舐めてる」
 立憲民主党の安住国会対策委員長は「来年はやめました」と言っても、今年やったこと、これまでやってきた安倍内閣のやり方は消しゴムで消せるようなものではない。「私の判断でやめた・・」というのは、むしろ非を認めたに等しい。徹底してやらせていただく」と述べた。
 共産党の小池書記局長も「直前まで問題ないと胸を張っていたのに一転中止ということは、結局説明がつかなくなったということだろう。万事休すだ!」と語る。
 14日の毎日新聞朝刊一面には「桜を見る会」案内文の写しが載っていた。
 安倍首相の事務所名で、“桜を見る会を日程に組み込んだ”観光ツアー案内である。
 この案内状が地元有権者などに配布されていたのである。
 地元から何人もの有権者が参加を申し出て、安倍事務所が取り纏めていた実態が明らかになったのだ。
 野党4党が開いた合同追及チームの会合で、政府は首相の事務所から推薦を受けていたことを認めている。
 桜を見る会の案内文書は、前日に後援会主催で会費制の夕食会が開かれることなどが書かれている。
 安倍首相の地元事務所の電話番号も記載されていた。
 山口県下関市の男性は「毎年案内状が届いている。招待されるのは誇らしい。何が問題なのか?」と不満そうだったという。
「桜を見る会」は、もともと皇族や閣僚、国会議員、各国の中日大使、中央省庁の幹部の他に、「各界で功績・功労のあった方々を慰労するのが目的である。
 だが近年は国会議員の後援者らも多数参加するようになった。
 安倍政権になってからは招待基準が不明確になったと問題視されるようになっていたようである。
 14日の朝日新聞朝刊は、昨年4月にあべ晋三事務所が送付していた“桜を見る会あべ事務所ツアースケジュール”という資料の存在を報じた。
 桜を見る会に参加を希望する後援会関係者にツアープランが案内されている。
 Aコースは“葛飾柴又散策”で6万9000円。
 Bコースは目黒雅叙園の“有形文化財・百段階段”で7万4000円。
 Cコースは“野球博物館見学”。
 Dコースは“屋形船乗船”となっていた。
 どのプランも1泊2日で、1日目は“観光と「安倍晋三後援会夕食会」”、2日目は“桜を見る会”で首相夫妻との写真撮影がセットのなっていた。
 首相は、参院予算委員会で「桜を見る会にあなたの後援会関係者が多数招待されているのでは・・」と追及された際、次のように答弁している。
「桜を見る会については、各界に於いて功績・功労のあった方々を、各省庁からの意見を踏まえ幅広く招待している。招待者は内閣官房や内閣府で最終的にまとめている。私は招待者の取りまとめには関与していない」
 安倍事務所が深く関与していたのに、「自分は関わっていない」という答弁は受け入れ難いではないか。
 安倍晋三という人は平気でウソをつく総理大臣だが、国会の質疑でもし虚偽答弁したら事は重大である。
 即、安倍退陣につながるからだ。
 桜を見る会が問題化した当初、政府の危機感はさほど深刻ではなかったそうだ。
 旧民主党政権も桜を見る会を開催していたから「ブーメランを恐れて本気で攻めてこない」と見くびっていたに違いない。
 ところがTVのワイドショウやSNSがこの問題を連日取り上げたため世の中のムードが変わってきた。
 案内状の存在が新聞によって公開されたのもダメージになった。
 時事通信などは、それによって潮目が変わってきたと伝えている。
 首相主催の桜を見る会には「後援会招待枠」が存在することやホテルニューオータニでの豪華な前夜祭の様子などが明らかになるにつれ、会費では足りない分をどう補填したのかも焦点になってきた。
 もし不足分を事務所側が補えば「税金の私物化」を疑われるだろう。
 70年近く続いていた行事の突然の中止に「ナニかある筈だ」と鼻をピクつかせた英国BBCは「東京から1000キロも離れた地元から850人を招待した」と世界に報じた。
 面白いのは、850人は「特別にCRONYISM(えこひいき)された」という表現を使っていることだ。
 安倍首相が自分を支持する人・お友達を、特に優遇することが世界中で有名になったのだ。
 公的行事の私物化などの公私混同、税金での選挙対策・・今持ち上がっている重大問題は「桜を見る会」を中止しても、何ひとつ解決しないのではないか。
 都合が悪いと思えば国会を開かない。辞任させた大臣の任命責任をとる素振りは微塵もみられない。
 その場その場をごまかしで逃げ切ろうとする・・・安倍政治。
 安倍長期政権の驕りは目を覆うばかりだ。“史上最低の安倍政治”をこれ以上許してはならない!・・・


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