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雑記帳2019-11-1 [代表・玲子の雑記帳]

2019-11-1
◆再びの「ろくもん」とえちごトキめきリゾート「雪月花」で信濃と越後の味覚を堪能。

ちょうど2年前、長野から軽井沢まで、信濃鉄道じまんの観光列車「ろくもん」に乗って、小布施の料亭のお弁当に目とおなかを奪われながら、秋色に染まる信濃の風景を楽しみました。ことし、JRの企画に、「観光列車ろくもんと雪月花で信越の絶景と美食を堪能」をみつけ、キャンセル待ちをしていたところ、運よく空きが出て参加することができました。

今回のろくもんは軽井沢から出発するので、前回は利用できなかった、軽井沢駅のラウンジを利用することができました。1階のティールームではお茶のサービスがありました。

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食事の中身も変わります。長野県東郷市に本店のあるアトリエ・ド・フロマージュのコース料理です。ウエルカムドリンクはシードルを選びました。食材のなかでもシナノユキマスは日本で最初に養殖に成功したマスとして知られています。また、信州サーモンはマスではありますが、肉の色がピンクなので、サーモンと呼ぶのだそうです。

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前菜の盛り合わせ。シナノユキマスの香草パン粉焼き、佐久鯉のエスカベッシュ(地中海風の南蛮漬け)、茄子のトマト煮、信州ハーブ鶏のガランティーヌ、きのことチーズのフリッタータとフロマンブルー

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パン、ジャム、チーズディップと本日のスープ
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メイン料理。左から、信州サーモンの東郷産くるみのクレート焼き、信州プレミアム牛サーロインきのこリゾット添え、季節の野菜と硬質チーズ カマンベールドレッシング(この硬質チーズが店のご自慢)

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デザートにはフォンテンヌブロー(写真右の、ガーゼに包まれたチーズケーキ)とアップルパイ

長野~軽井沢間の一番の見どころは浅間山。御代田~信濃追分区間で、列車はスピードを落として浅間山がゆっくり見られれるようにサービスしてくれました。標高2568メートルの浅間山は日本でも有数の活火山です。

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ろくもん車窓から見た浅間山

途中の停車駅、戸倉は新幹線の開通で一時さびれたと聞きましたが、近くの上山田温泉が比較的安く温泉を楽しめることから、人気が復活したそうです。
参加者の大半が熟年のご夫婦でしたが、相席した一人参加の菊池さんは東京住まいながら長野県の出身、前菜に茄子がでたことから、茄子が信州のブランドだと、話に口火がついてすっかり親しくなりました。
長野の丸茄子は大きくて固いのだそうです。シンプルで味に主張のない茄子はどんな料理にもなれる、茄子のスイーツだってある。いつかテレビで茄子をミキサーにかける料理番組を見たが、あれは信州の丸茄子にちがいない。東京で手に入る、やわな茄子では、溶けちゃってミキサーなんかにかけられない、・・・などと、ひとしきりの茄子談義でした。

稲刈りの終わった田園風景を楽しみながら、コース料理をいただくうちにもう長野駅です。
さすが信州。駅舎にも木材がふんだんにつかわれています。
そして、なんという幸運! 魁夷再開の大きな横幕をみつけたのです。2年前工事中だった東山魁夷館が、偶然にも10月5日はリニューアルオープンの日だったのです。

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コンコースに掲げられた「魁夷再会」の横断幕

駅前のホテルに到着したら後は自由行動。早速、善光寺のまじかにある東山魁夷館に出かけました。
駅から善光寺までの2キロほどの道は善光寺の表参道であると同時に、北国街道として旅人が往来した通りでもあります。通りに沿って、かつて参拝者や旅人たちも立ち寄ったであろう名所・旧跡があるのです。
参道でひときわ目立つ建物、「御本陣藤屋」は、参勤交代における善光寺宿の本陣でした。伊藤博文、福沢諭吉をはじめ、文人、政治家、皇族など各界の著名人がここを訪れました。本陣がいまも宿泊施設として使われているのは全国でもめずらしいのだそうです。大正14年に建てられた現在の建物は、当時の流行を知ることができる貴重な建物であり、国の登録有形文化財に指定されています。

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善光寺参道にある「御本陣藤屋」

東山魁夷館は信濃美術館の別館です。本館の信濃美術館は2020年の開館を目指して工事の真っ最中でしたが、別館の魁夷館が一足お先に開館したというわけです。長野県出身ではないにもかかわらず、魁夷の作品の、世界最大のコレクションをほこっています。
画伯が「青」にめざめたのは、北欧のフィヨルドや森と湖を旅した時だといわれています。「青」は精神世界へみちびく色として画家の心に深く刻まれました。リニューアルオープンしたばかりのこの日、その青の世界を堪能しました。

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東山魁夷館

翌日は上越妙高から糸魚川まで、えちごトキめき鉄道の誇る観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」に乗って、新潟の味を楽しむ旅です。
「雪月花」は国内最大級の展望といわれる、広々とした窓や高い天井、花びらの散る真っ赤な車体など、リゾートを冠するにふさわしい贅沢なつくりです。

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地元の旬の食材にこだわったフランス料理が三段のお重になって出てきました。

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雪月花一の重 のコピー.jpg
一の重(真鯛のエスカベッシュ、くびき牛のコールドビーフ コンソメジュレ、いかとシイタケのマリネ、エビのフランとアスパラガスのムース)
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二の重(カラフル野菜巻、茄子とオイルサーデインのルエル、新潟地鶏のごぼう巻き、かんずり(妙高市の伝統調味料)風味のクロケット)
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三の重(ポークリエットキノコのデイップサンド、右は手毬おにぎり(県内産コシイブキ使用、おにぎりの中身は塩引き鮭とコーンビーフ)
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デザートは洋ナシのババロア(和なしのジュレ)、コーヒーの香るクレームとキャラメルソース、キャレショコラ

コーヒーは雪室コ-ヒーという雪月花自慢のオリジナルコーヒー、お土産に買い求めました。

トキめき鉄道は二本木駅にスイッチバックのために停車します。停車したスノーシェルターの鉄骨は古いレールがつかわれていました。
この辺りには戦前、日本曹達の工場が立ち並び、従業員1万人 常時6000人が利用したそうです。雪国では珍しい地下道は、戦時中、防空壕用に作られたのだそうです。

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冬には2~3メートルの積雪がある。駅舎はあかりとり用の大きなガラス窓や屋根には雪下ろしの命綱用のポールが見える。命綱用のポールは直江津駅舎でも見られた。

妙高高原駅から再び反転して直江津にむかいます。
直江津は明治19年の開業以来交通の要所でした。駅では今はめずらしくなった駅弁の立ち売りが見られます。

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直江津~糸魚川間にある全長11キロのくびきトンネルはJR以外ではもっとも長いトンネルです。トンネルの途中には秘境駅「筒石」駅があるのですが、ここがあの「越後筒石親知らず」とうたわれた難所だったのかと気づきました。この日はあいにくの雨模様。晴れていれば絶景だったはずの妙高も見えず、数日前の台風18号の余波で白く泡立つ日本海はまるで冬のようでした。

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終点糸魚川駅改札口では糸魚川の象徴、ヒスイの勾玉が迎えてくれました。ヒスイの原石は緑色の部分はほんの一部で全体はこんな色なのだと聞いて、名にしおう翡翠色を期待していたのは認識不足でした。ここからは北陸新幹線で東京に戻ります。JR九州の七つ星には手が出ない庶民でも十分楽しめる旅でした。

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ろくもんに乗ったのは10月5日のことです。その1週間後の10月12日、台風19号が関東東北を襲い、千曲川の堤防が決壊しました。豊かな収穫の秋の風景を堪能した後の被害のニュースに胸が痛みました。ろくもんも10月中は運休とのことでした。被災地の一日も早い復旧を祈ります。

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