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祖道傳東Ⅱ №4 [文芸美術の森]

第四図 彿陀聖旅

        画  傅 益瑤・文  曹洞宗大本山永平寺

祖道傳東4.jpg
              《紙本墨画彩色》 九〇×一二五 軸装
 人間の苦悩を解決する道は何か。釈尊は、真実の道を求めて二十九歳の時、世俗の王位を捨て、一介の沙門となりました。求道の旅の初めは、当時最も勝れた師と称せられた、アーラーラ・カーラーマ仙人を訪ねました。師は有處虞無處の境地を説いて釈尊もそれを悟(さと)られましたが、末だ真の解決を得られず、次にウッダカ・ラーマプツタ仙人を訪ねます。師は非想非非想處の法を説き、釈尊もそれをようやく体得しました。しかし未だ問題の解決に至らないことを知って苦行林に入り、難行苦行六年の歳月を費やし、苦行は結局悟りへの道でないことを知って山を下り、尼連禅河に沐浴して大樹の下に端坐いたします。ときに村人が乳糜(にゅうび)を献じてくれました。釈尊はこれによって枯渇した身心を癒しながら、さらに三昧に入って十二月八日暁の明星を一見して、正覚を成じ、仏陀となったのであります。
 やがてベナレスに赴いて、共に修行した五人の比丘(ぴく)に初めて法を説きました。これで仏法僧の三宝が完全に整ったのです。やがて、次第に弟子が集まり、竹林精舎(ちくりんしょうじゃ)、祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)、王舎城、霊鷲山(りょうじゅせん)など広く行脚(あんぎゃ)して正法を広めることになります。そして八十歳でクシナガラの沙羅林の中で涅槃(ねはん)に入られました。
『祖道傳東』大本山永平寺

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