SSブログ

私の中の一期一会 №199 [雑木林の四季]

      最強台風19号は上陸後、記録的大雨を降らせ東日本の広範囲で被害が多発
           ~気象庁が異例の記者会見で厳重な警戒を呼び掛けたのに・・・~

        アナウンサー&キャスター  藤田和弘

 大型で非情に強い台風19号が12日午後7時ごろ伊豆半島に上陸した。
 9月の15号台風よりはるかに大きな暴風圏を持つ“スーパー台風”が東日本を直撃し、河川の堤防決壊や土砂災害など東日本の広範囲で大きな被害が発生している。
 この台風は6日に南海上で発生した時の気圧は992ヘクトパスカルだったが、翌7日の午後6時には915ヘクトパスカルまで気圧が急速に低下していた。短時間で“猛烈化した”ものといえるだろう。
 気象庁の発表によれば、台風19号は12日午前8時現在、八丈島の西南西海上を時速20キロで北に向かって進んでいた。
 その中心気圧は936ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートルで、最大瞬間風速は65メートルに達するというものであった。
 日本近海の水温がかなり高いため強い勢力を保ったまま、ゆっくり近づいてきていたのだ。
 なにしろ、中心の東側370キロ以内と西側280キロ以内が風速25メートル以上という広い暴風域を持っているので、上陸すれば本州の半分が暴風圏にスッポリ入ってしまうほどの巨大台風だった。
 問題は、この台風が非常に強い勢力のまま、本州に上陸するのが確実なことであった。
 気象庁が台風の上陸前に記者会見を開くのは異例のことだろうが、梶原靖司予報課長は11日午前、“臨時記者会見”を開いて“厳重な警戒”を呼び掛けたのである。
 昭和33年(1958年)に伊豆半島の狩野川が氾濫して死者・行方不明者1269人を出した「狩野川
台風」に匹敵する暴風雨になる恐れがあり、広範囲に「大雨特別警報」を出す可能性が高いことを指摘しながら、「自分の命、大切な人の命を守るため、“風雨が強まる前に”、また“夜間暗くなる前に”、早め早めの避難、安全確保をお願いします」と呼び掛けた。
 スーパー台風19号は風が強いことに加え、15号より雨の量が記録的に多くなることが予想されたからである。
 12日夜から13日未明にかけて東日本を縦断した台風19号は各地で荒れ狂いながら駆け抜けていった。
 気象庁は、上陸直後から静岡、東京、神奈川、埼玉、群馬、山梨、長野の1都6県に“重大な災害が発生する恐れがある”として「大雨特別警報」を発令し、最大級の警戒を呼び掛けた。
 近くに住む友人から「風、段々凄くなってきた。家が古いのでちょっと怖い。あと3時間我慢」というメールがきた、時刻は21時27分だ。台風が首都圏を通過中だった頃ではないかと思う。
 我が家では、テレビの台風情報を見ながらも「風の音が凄いなあ」と思っていた時であった。
 1時間後「ピークは過ぎたようです。今のところ大きな被害なし」のメールが来て、ひと安心したが、台風19号は、北上しても雨の勢いがあまり衰えなかったのである。
 12日に“24時間降水量の観測記録”を更新した地点が16の都県の84カ所に及んだ。
 神奈川県の箱根町では12日だけで922.5ミリの雨が降り、48時間では1001ミリを記録した。
 この観測史上最高の降水量で、芦ノ湖から湖水が溢れ出して観光地に影響を与えた。
 小田原土木センターは、「気象庁の降雨予測に従い、10日から放水を開始して台風に備えたが予測を上回る降水量だった」と話した。
 長野市穂保地区では13日朝、千曲川の堤防が70メートルにわたって決壊した。大量の濁流が流れ出し、
長野新幹線車両センターが水没、多数の新幹線車両が水に浸かったという。
 その他、堤防近くの住宅が浸水して避難勧告が出た。福祉施設で高齢者360人が孤立したり、停電も発生した模様である。
 堤防は5年前に強度を高める工事を終えていたというから、加藤久雄市長にとっては想定を超える災害だった。
 「工事を終えたばかりの堤防だから大丈夫だと思っていた。市民生活を取り戻すため一日も早く堤防の復旧工事を終えたい」と述べている。
 被害が広い範囲にわたって発生しているため実態の把握は遅れているが、毎日新聞の集計によると、この台風で11の県で65人が死亡し、6県で14人の行方不明者が出ていると分かった。
 死亡者は福島県で24人、神奈川県13人、宮城県10人、群馬・栃木の両県で各4人、岩手・茨城・埼玉・長野の各県で各2人、千葉・静岡の両県では各1人である。
 しかし、福島県いわき市が今日午前、新たに6人が死亡していたと発表しており、自治体や警察が身元確認を急いでいるという報道もある。犠牲者は今後も増えるかも知れない。
 14日の夜を迎えても6つの県の約39万人に避難指示が出されたままだし、13都県の避難所には約5500人が身を寄せているという。
 床上、床下浸水などの住宅被害は埼玉・栃木・長野各県を中心に1万戸にのぼる。
 土砂災害は各地で146カ所確認されている。
 14日も雨が降ったところがあり、引き続き土砂災害への警戒や河川の増水に注意するよう国交相が呼びかけている状況なのである。
 安倍首相は14日、「躊躇せず被災地が全力で応急対策や復旧作業に取り組めるよう激甚災害に指定する方向で調査を進める」という方針を示した。
 関係閣僚にも被災者が一日も早く安心して暮らせるよう全力を尽くして欲しい」と指示した。
 台風の接近に伴い首都圏の鉄道各社は「計画運休」を上陸前日に発表して実施した。
 これまでは交通機関が、災害を前に事前に予告して列車の運航を中止することはなかったから、利用客は駅での混乱に巻き込まれなくて済む。運休や運転見合わせで途方くれたり、運転再開時の混雑や駅間で停った列車に閉じ込められることもなくなる。いいことの方が多いではないか。
 JR釜石線の終日運休で、ラグビーW杯のナミビア・カナダ戦が中止になったが、大会組織委の中止判断にも計画運休は役だったかも知れない。
 ラグビーといえば、8強進出を目指した日本は、スコットランドとの運命の一線を前にした12日午前8時すぎ強風と大雨の中で1時間の調整練習をしたというから驚く。
 それにしても過去1勝10敗という難敵を相手に日本は粘い強い戦いをみせた。激しく追い上げるスコットランドの猛攻を全員で必死に耐えて、28-21で破り、初の決勝トーナメント進出を果たしたのは凄かった。計画運休ならぬ「計画休養」をしなかったのが良かった?のだろうか・・・



nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。