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猿若句会秀句選 №101 [ことだま五七五]

猿若句会特選句集 101(2019年9月21日)

                 猿若句会会亭  中村 信

 首筋に後れ毛繋り秋日傘  児玉竹子
 種バレの二時間ドラマ見る夜長  丸本 武
 台風の暴れし跡の闇深し  長谷川英夫
 心配の種は尽きねど南瓜煮る  宮島久代
 新涼やイエスは永遠に首をたれ  中村克久
 追加して新蕎麦二枚啜りけり  高橋 均
 デラシネや帰り損ねた海猫と居る  中村呆信
 山越えや芒の向こう富士の山  原 健一

◆猿若句会九月例会の特選句集です。例によって一句だけの短評から始めます。
[短評] [首筋に後れ毛繋り秋日傘 竹子]。今月は出席者11名全員が、全て別な句を特選に選んでいたと云う稀なケースの例会でした。掲句(と次句)が特選一句と並選四句で巻頭になりました。たまたま個性的な句が多く出句されたのか、傑出された句が無かったので選ぶのに困惑したのか、いずれにしても早目に究明しなければ今後に禍根を残すことになると思います。席題は「新蕎麦」「種」でしたのでそう難しかったことはなかったと思いますが、兼題の「首」には大分苦労したみたいです。掲句はその一つなのですが如何でしょう。句意を見てみようとするとその苦労がにじみでているようです。季語の「秋日傘」が=「秋日傘の女人」の意味の擬人化なのでしょうか。上五・中七が下五の描写だとすると、「首筋に後れ毛が繋っている」では平凡すぎます。取り合わせだとすると付き過ぎで何の面白みもないようです。それよりも兼題が「首」だったので「首筋」になったのでしょうか。首筋では言葉の示す範囲が広すぎるようです。「うなじ」と云う適切な言葉があります、兼題の首を使うのでしたら「襟首」と措辞の対象を限定する言葉もあります。私的趣味だといわれるかもしれませんが首筋という語感も気にいりません。この句の選者の方々、その辺は気にならなかったでしょうか。
申し訳ありませんが、実は当日急に腹痛をおこして句会直前に休会せざるをえなくなりました。少々無責任な評になったきらいがありましたらご容赦ください。
◆句会での特選以外の秀作・佳作については、旧来の「中村信のホームページ《あ》」が更新できずにいましたので、新しくブログを作ってみました。[パソコミ誌『あ』の電脳版]
http://a-houshin.hatenablog.com/です。ご覧ください。(ただし、まだテスト版に近いものです、おいおい充実させてゆくつもりです。)ご覧いただき・ご支援ください。


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