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猿若句会秀句選 №100 [ことだま五七五]

猿若句会特選句集 100(2019年8月17日)

             猿若句会亭  中村 信

 ロシア文字溢るる島の墓洗ふ  丸本 武
 どの子にも頼るあてなし鰯雲  高橋 均
 田の神に一献捧ぐ秋祭  中村克久
 大太鼓初御披露目の秋祭  児玉竹子
 叱られて上眼づかいに蜻蛉見る  宮島久代
 ソーダ水透けて見えるは貨物船  伊藤 理
 黒き雲切裂き一閃稲光  柴田弘道
 すすり泣く胡弓遠音に風の盆  花柳小春

◆猿若句会八月例会の特選句集です。例によって一句だけの短評から始めます。
[短評] [ロシア文字溢るる島の墓洗ふ 武]。今月の巻頭句が掲句です。読み流してしまうと、句意に誤解が生まれます。「ロシア文字が溢れているのは」「島」であって「墓」ではありません。私の乏しい知識で解釈すると、[いまだ返還ならない北方四島への墓参団に参加出来て、やっと墓参が叶った。]が句意でしょう。新聞・TVなどの報道による知識によれば、墓参団に参加すること自体が機会も少なく募集人数も制限が厳しく簡単には参加が出来ないようです。とするとテーマ的には結構重い句になると言えるでしょう。とすれればなおさら「ロシア文字溢るる」が島の措辞としては異質のような気がします。仮にこの措辞が本人にとって印象的だったにしても島の措辞に九文字も使ってしまうのは勿体なく、肝心の「墓洗う」の季語の印象が薄くしてます。そもそも「墓洗う」の日本的風習の季語で締めるのは、俳句的ではあっても現実感が乏しいと感じます。誰の墓かもそれほど特定できていないとすれば、「墓を洗う」の季語を使って俳句にするのには相応しくないかもしれません。
話はそれます。「お墓参り」は「お彼岸=春、秋」の風習と勘違いしがちですが、墓参はは盂蘭盆の行事です。歳時記を間違って索引から調べても出てきません。歳時記は正直ですので、「彼岸」(仲春・時候)と云えば春をさし、秋の場合は「秋彼岸」(仲秋・時候)と断わらなければなりません。また、墓参は(墓参=はかまいり、初秋・行事)他、関連行事の季語は種々あるが、結果的に春の墓参はなく「彼岸参」「彼岸詣」と一般化されたものしか入っておりません。(贅言にして、閑話休題)
◆句会での特選以外の秀作・佳作については、旧来の「中村信のホームページ《あ》」が更新できずにいましたので、新しくブログを作りました。[パソコミ誌『あ』の電脳版]です。ご覧ください。(ただし、まだテスト版に近いものです、おいおい充実させてゆくつもりです。ご覧いただき・ご支援ください。


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