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浜田山通信 №249 [雑木林の四季]

マクロン大統領は偉かった

            ジャーナリスト  野村須美

 8月末、佐賀、福岡、長崎などを襲った集中豪雨はひどいものだった。観測史上最大の記録的大雨とTVは連日伝えたが、毎年のように日本のみならず、世界中で異常気象は起きている。ことしもヨーロッパは40度を越す熱波に襲われたし、アメリカでもしょっ中竜巻被害をうけ、何より南米アマゾンでは大規模な森林火災が拡がり手のつけようがない。アマゾンは地球の肺といわれるように、人手の入らない大森林は地球の酸素の4分の1を産出するそうだからこれ以上の大事件はない。
 地球温暖化の危機が叫ばれて久しい。北極海の氷山が崩れ落ち、シロクマが行き場を失う様子をTVで見せられてからどれだけの時間がたったか。核問題とともに解決が急がれる問題なのに一向に前進しない。
 たまたま8月26日閉会した主要7か国首脳会議(G7サミット)では当初議長国フランスのマクロン大統領が気候変動を主要議題としたい意向だったが、来年から始まる「パリ協定」からの離脱を表明しているトランプ米大統領は会議に顔も出さない。あくまでアメリカ・ファーストのトランプとしては温暖化防止なんてものに乗っては、G7にも入っていない中国やロシアに対抗できないと思うのも無理はない。だから当初からことしのG7には宣言文書も出ないだろうと予想されていた。最後の最後、マクロンはねばりにねばってようやく一ページのG7宣言文書をまとめて面目を保った。中国、ロシアの入っていない主要国など意味はないし、もし入っていれば国連の常任理事国とどこが違うのかとなる。国連は大小さまざま200国の国、地域が加盟している。だからさまざまな問題があり、それぞれのグループ、地域ごとに集まりができるのも仕方のないことである。
 主要7か国会議もロシアを入れたり、はずしたりしたが、ともかく先進国で構成され、それなりの役割を果たした。しかし今やブラジル、ロシア、インド、インドネシアなど新興国の力が強くなり、世界的な経済問題を解決するためには主要20か国・地域(G20)会議に重点が移りつつある。後進国側は温暖化の問題について先進国に責任があると主張してきており、今回のG7でマクロン仏大統領はそれに乗った形だった。たとい一ページの報告文だとしても、G7が温暖化防止の文言を入れたことは賞賛に値する。
 マクロンは若いし、夫人は恩師、かなりの年上である。昔なら若いツバメとバカにされるところだが、どうしてどうしてかってのヨーロッパの先進国フランスの威厳とG7面目をつないでくれたといってもいいだろう。
 G7首脳と夫人たちの記念写真を新聞で見た。マクロン夫人は母親のようだったし、トランプ夫人は娘のようだった。皆にこやかに親しげな様子に見えた。マクロンは就任早々から何となく頼りなさそうで批判も多かった。私などほとんど関心もなかったが、今回のG7ではさすがフランスと見直した。

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