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検証 公団居住60年 №39 [雑木林の四季]

Ⅶ 公団家賃裁判 ― 提訴から和解解決まで

      国立市富士見台団地自治会長  多和田栄治

11. 「国会要望決議」と裁判解決の提起 2

  自治協幹事会は12月6日の全国総決起大会で同日建設大臣が示したあっせん案にもとづき家賃裁判の解決を提案した。幹事会は国会が要望し大臣があっせんする裁判和解により、政府および公団が「全国公団住宅自治会協議会」を公式にはじめて認知すること、自治協が公団とのあいだで事実上の交渉権確立への土台をきずくことを評価して、大臣あっせんを基本的に受け入れる方向を示した。家賃運動は今後、「2つのテーブル」(定期協議と基本懇家賃部会参加)を活用し、新たな段階で展開することを強調した。
 一方、家賃裁判原告団は、東京地裁関係では12月18日、第28回裁判対策会議をひらき、「家賃裁判の成果と今後の課題」「家賃裁判の早期解決と新たな運動にたいする原告団の決意」を報告し、自治協提案を確認した。
 85年3月17日にいたって、全国幹事会は東京・日本青年館で全国集会を開催し、全国の自治会代表が一堂に会して意見、展望を述べあう場を設けた。活発な議論をへて集会は家賃裁判運動の成果と今後の活動課題を確認する決議を採択、これをうけて大臣あっせん案受諾を機関決定した。翌18日、あっせん案受諾を建設大臣に通知し、19日に木部大臣は大臣室で全国自治協と住都公団の両代表に正式あっせん文書を手渡した。全文はつぎのとおりである。

     住宅・都市整備公団と全国公団住宅自治会協議会
          との係争の解決に関する斡旋

 当職は、去る昭和58年4月12日付の衆議院及び参議院両院の建設委員長から当職宛の要望第8項の趣旨を体し、かねてから住宅・都市整備公団及び全国公団住宅自治会協議会に対して両者の関係につき、その改善を促してきたところであるが、今般、両者の話合いの経緯に基づき、係争の解決と両者間の関係の円滑化に資するため、左記により、和解を斡旋する。

                 記

1.全国公団住宅自治会協議会と住宅・都市整備公団の両者は、訴訟上の和解により係争の解決を図り、今後できる限り円滑な関係の維持に努めること。
2.住宅・都市整備公団は、総裁の私的諮問機関として設置した基本問題懇懇談会家賃部会に、全国公団住宅自治会協議会の代表を居住者の一員として参加させること。
3..住宅・都市整備公団は、公団住宅の円滑な管理に資するため、全国公団住宅自治会協議会との間に定例的な懇談の場を設けること。
 なお、住宅・都市整備公団は、住宅の修繕等の実施について、今後とも更に促進に努めるものとする。

          昭和60年3月19日 建設大臣 木部佳昭(公印)

全国公団住宅自治会協議会 殿

 核地方自治協は1985年3月28、29日に全国8地裁で公団との訴訟上の和解手続きをおこない、家賃裁判を正式に解決させた。
 これらをへて、早速に4月9日には全国自治協代表がはじめて参加する基本懇家賃部会が2年4ヵ月ぶりに開かれ、4月26日には全国自治協と公団本社との新規第1回定例懇談会が開催された。1976年6月に中断してからじつに6年10ヵ月ぶりであった。自治協活動は、三権がかかわって獲得した「2つのテーブル」を中心に展開することになる。
 公団、その後の都市機構本社との定例懇談会は現在も隔月にもたれており、2016年度末で190回をこえる。全国・本社レベルでの定例的な協議がはじ
まると、地方自治協レベルでも各団地自治会でも、それぞれ公団支社、営業所と、団地管理・共益費問題をはじめ修繕、環境整備等の要望をまとめて交渉をスタートさせた。こんにちも確保している日常的な協議・話し合いの体制は、家賃裁判の貴重な成果の一つといえる。

『検証 公団居住60年』 東信堂

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