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いつか空が晴れる №59 [雑木林の四季]

   いつか空が晴れる
     -ヒッグス粒子の音楽―
                     澁澤京子

 ヒッグス粒子を可聴化した「ヒッグス粒子ミュージック」というのがネットで検索すれば聴けるようになっている。ハバネラのようなゆったりした独特の4拍子で、キューバのクラシックピアノにもこんな感じの曲あったなあ、と思う。
宇宙の音楽は、映画「2001年宇宙の旅」のシュトラウスのツァラストラのような荘厳な音楽でもなく、エレガントな3拍子のワルツでもなく、キューバやプエルトリコの音楽にありそうな、ゆったりした南国風のリズムというのがすごくいい。
どうだ!という感じに真面目に構えたものではなく、拍子抜けするようなリズムとユーモラスな音楽であるのが楽しい。

ちなみにビゼーの「カルメン」のハバネラは、もともとはスペインの作曲家、セバスティアン・イラディエルが「エル・アレグリート」として作曲したもので、これをビゼーがハバナの民族音楽と勘違いして、自分の曲の中に引用してしまったものだそうです。
イラディエルは、キューバに滞在していたときに、「ラ・パロマ」を作曲。これはスペイン、キューバ、アメリカでも大ヒットして、歌詞はスペイン人船員とハバナの娘の別れの歌だけど、曲が明るいだけに切ない歌です。
ハバネラのリズムはおおらかで明るくて、青い海とさんさんと降り注ぐ太陽を連想させる。

キューバ音楽というと、ヴィム・ヴェンダースの「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」を想いだされる方は多いと思う。私もあの映画でキューバ音楽を好きになったのだ。キューバの老人ってなんて粋で色っぽいのだろう、と感心した記憶があるけど、ハッと気が付けば、今や私も、あの映画の中の彼らの年齢に近いのではないか・・
ソンもルンバもサルサも、すべてあの辺から生まれたリズムで、カリブ海近辺に限らず、南米にはなんて優れたリズムと音楽がたくさんあることだろう。

押田成人さんという神父さんのエッセイ「道すがら」に、人は聴覚でものの内面や全体を把握するのではないか、ということが書いてあった。伊豆の海で病気の療養をされていたときに、目を閉じて海の音を聞いていたら、波の高さやうねりや海の深さなど、海の持つ力や全体を、視覚ではなく聴覚で把握していることに気が付かれたそうです。
ちなみに押田成人さんは故人となったけど、小淵沢の近くの信濃境に自給自足の黙想の家「高森草庵」を開かれた方で、いつか訪れてみたいと思っている。(お米は自給自足しても有り余るほど収穫できるそうです)

そういえば、宇宙の音楽を聴くことができたというピュタゴラスも、エーゲ海に浮かぶサモス島で生まれ育った。写真で見ると、ピュタゴラスの学校の跡もエーゲ海を一望に見下ろす小高い丘にある。
ピュタゴラスの宇宙の音楽というと、今まではなんとなく夜の星空を連想していたけど、実は陽気な太陽の陽にきらめく青い海から、彼は宇宙の音楽を聴きとっていたのかもしれない。

可聴化された、ヒッグス粒子の音楽を聴いて、つらつらとそんなことを考えたのである。

注・ヒッグス粒子・・・・ものに重さを与える粒子


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