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猿若句会秀句選 №96 [ことだま五七五]

猿若句会特選句集 96(2019年4月20日)

             猿若句会会亭  中村 信

 茶摘唄聞こゆる知覧空静か  長谷川英夫
 百僧の和讃に緩ぶ花の冷  丸本 武
 夜桜やまさかの出合ひ遠会釈  花柳小春
 畝毎に家族総出の茶摘かな  内野和也
 柩には爺の似顔絵養花天  中村克久
 乙女等の裾に戯る春の風  宮島久代

◆猿若句会四月例会の特選句集です。例によって一句だけの短評から始めます。
[短評] [茶摘唄聞こゆる知覧空静か 英二]。作者は今月からの新入会員です。喩えるならばベテランの柔道部員が新入部員に一本取られた感じです。「茶摘唄」と「知覧」の合わせ技で一本取られています。ただし確かに佳句とは言えますが、まだ推敲の余地は残っています。今月の兼題が「茶摘」で、私はまさか茶摘唄に「知覧」が合うとは思っていませんでした。講評に入って、自分の無知に気づかされました。合うどころか必然、付き過ぎ位だったのです。「知覧」は季語ではないのですが、季語的働きまでしています。知覧が戦前特攻の出撃基地であったことがあまりにも有名で、地名以上の知識が夫々の方々に付随していることです。宇治茶・静岡茶・狭山茶などの茶所は誰でも知っているが、知覧茶を知っているのは少ないだろうとまだ思っていました。ところが鹿児島県は静岡県につぐ茶の生産地であり、なかでも知覧は鹿児島では知名な茶の生産地であり著名でした。「茶摘唄」が「知覧」と出会い、さらに「空静か」念押しすることで鑑賞者にイメージをふくらまさせて巻頭句になりました。
ただ茶摘み所も観光地化され、絣の上下に赤いタスキ、姉様かぶりの茶摘女を動員し、なかには茶摘唄まで」スピーカー流して観光地化を謀っている所もあるようです。季語としての「茶摘」も様変わりしてきますが、知覧はまだ旧来の季語感を残っていて欲しいですね。如何だったのでしょうか。実は俳句で地名を詠みこむのはかなり難しいことなのです。地名として著名である場合はそれが邪魔をします。逆に無名の場合はなぜこの俳句にこの地名が必要なのかを説明しなければならない場合まででてきます。この「知覧」等は見方次第でどちらにも動ごきそう微妙です、閑話休題。皆様にはこれもどちらだったでしょう?。
◆句会での特選以外の秀作・佳作については中村信のホームページ《あ》[http://saruwakakukai.web.fc2.com]をご覧ください。(ただし、該当欄が一時的に更新不能のため、同「掲示板」投稿欄にて代替しています)


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