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ミツバチからのメッセージ №3 [心の小径]

山の木が伐られた

       造園業・ミツバチ保護活動家  御園 孝

 第二次世界大戦中、日本の森で大量に木が伐採され、燃料など様々なことに利用されました。国家の非常事態及び人手不足と言う理由で、伐採跡地は放置されていました。
 戦後150万haの伐採跡地を含む1000万haの森にスギ、ヒノキ、マツ、カラマツなどの針葉樹を植林しました。その森の大部分は広葉樹の森でしたが、それを伐採した跡地に針葉樹だけを植林したのです。
 日本の国土面積3779万haに対して森林面積は2512万haですが、天然林1477万haに対して人工林1035万haです。なんと日本の森の41,2%が広葉樹から針葉樹へと林種転換されてしまいました。
 広葉樹の森では多くの花が咲き実を付けますが、花の花粉や蜜だけでなく実や葉っぱなどは、虫や鳥や動物のえさになります。それに対して針葉樹は風媒花なので受粉昆虫を必要としないため必要性が有りませんし、エサもありませんから生きることができません。つまり41,2%の生き物のすみかが消滅したことになり、間違いなく個体数を減らしたに違いありません。
 九州の五島列島では乱伐がたたり、エサ不足でニホンミツバチが絶滅してしまいました。福江島では戦時中都市部から疎開してきた人が増え、森を切り開き食糧生産のための畑を大量に作りました。タバコの生産などが盛んで葉っぱを乾燥させるための燃料として木を伐ったため、ほとんどの木が伐り倒されてしまいました。
 温暖な気候で雨も多いので木も草も直ぐに復活したのですが、離島では一度絶滅したニホンミツバチは復活することができませんでした。


3ウワミズザクラ のコピー.jpg
ウワズミザクラ
3キハダー3 のコピー.jpg
キハダ


広葉樹の森には蜜と花粉がいっぱいの花の咲く木が沢山有ります。
ウワミズザクラ…サクラなのにブラシのように花が咲きブドウの様な房状の実がなります。
キハダ…この花が咲くとミツバチが乱舞します。樹皮は胃腸薬になり珍重されます。 


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