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フェアリー・妖精幻想 №104 [文芸美術の森]

仮面劇とシェイクスピア、オペラ、バレエ 5

            妖精美移間館長  井村君江

 妖精であるシルフィードがスコットランドの青年と恋におち森へ逃げるが、シルフィードはとつぜん息絶えてしまう。その肩に魔女の呪いのスカーフがかかっていたという悲しい物語である。
 「タリオー二はまるで妖精のように踊り、シルフのように死んだ。背中についていた小さな蝶の翅が落ち、そのしなやかな身体は葦の葉のように曲って息絶えた」(モーニング・ポスト批評)。
 ジュール・ペローがこの時期(一八四〇年代)の最も有名な振り付け師であったが、彼によって今日のイギリスのバレエの基礎が出来たようである。
 一八四三年に『オンディーヌ』を作り、ファニー・セリトオが水の精となり、月夜に自分の影と共に美しく踊った。
 一八四五年には森の精である『エオライン』を振り付け、ルーニル・グランが踊った、半分人間で半分精霊であるエオラインは人間を恋したが、その婚礼の日に死んでしまう。
 木には嫉妬深い悪いノームがとまって見ている - というように、これも哀しくそしてはかない悲恋の物語で、バレエのファンタスティックな神秘的雰囲気によくマッチしている物語である。これら一連の作品は特に「フェアリー・バレエ」と呼ばれている。
 フェアリー・テールズがバレエの源となり、作品が創られたが、なかでも『シンデレラ』『眠れる森の美女』、が今日までよく上演されている。
 一九六五年コヴェント・ガーデンの舞台でマーゴット・フォンティンがシンデレラを踊ったが、以後彼女の得意のレパートリーの一つとなった。
 この『シンデレラ』に登場する妖精の代母(フェアリー・ゴッドマザー)の映像は、美しい紗のドレスに、背中に麹をつけ花の髪飾りか、金の小さい冠をつけて魔法の杖(マジック・ウオンド)でカボチャを馬車に変える。美しく、たのもしい守護者役の妖精の代母(フェアリー・ゴッドマザー)が、妖精のあって欲しい姿として、舞台から人々の間に拡まっていったのである。
 『眠れる森の美女』では、魔法の庭の「水晶の泉の妖精」の群舞、悪の妖精カラボスの踊りなどがチャイコフスキーの曲にのって展開される。
 月の青い光が白い妖精たちのチュチュを、より神秘的な色に染めあげる。
 一九二一年のアルハンブラ・シェターでの初演は、ディアギレフの演出、レオン・バクストのコスチュームと舞台デザインによるロシア・バレエであった。
 二十五年のちにコヴェント・ガーデンで上演されたときは、オーロラ王女がマーゴット・フォンティン、プロリモンド王子はロバート・ヘルプマンの素晴しいコンビであった。一九八〇年代までフォンティンは王女役を踊りつづけ、ルドルフ・ヌレエフの王子役の素晴しいコンビの舞台は、今日フィルムに記録されている。

『フェアリー』新書館

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