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草木塔 №34 [ことだま五七五]

山行水行 10

                俳人  種田山頭火

 酔へなくなつたみじめさはこほろぎがなく

 はだかではだかの子にたたかれてゐる

 ほんによかつた夕立の水音がそこここ

 やつと郵便が来てそれから熟柿のおちるだけ

 散るは柿の葉咲くは茶の花ざかり

 れてはおちる実をひろふ

 人を見送りひとりでかへるぬかるみ

『草木塔』 青空文庫

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