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検証 公団居住60年 №25 [雑木林の四季]

大資本奉仕の実態と用地買収の黒い霧

      国立市富士見台団地自治会長  多和田栄治

5.金融資本をもうけさせた公団の財務

 住宅公団の事業資金は、①国および地方自治体からの出資金、②国および民間からの借入金、③住宅債券の発行による収入、④日本住宅公団宅地債券および特別住宅債券の発行による収入、⑤住宅、施設、宅地にかかわる賃貸料または譲渡等の管理収入、その他の収入からなるが、おもな部分は、財政投融資としての政府資金(原資は郵便貯金、簡易保険、年金積立金)と民間資金(生命保険会社、信託銀行など)の借入金である。
 当初5年間は資金総額の21.0%、つぎの5年間12.5%を占めた国からの出資金は1964年度をもって打ち切り、利子補給制度にかえた。利子補給とは、借入金の支払い利息と資金運用による利息回収額との差損にたいする国庫からの補填である。こうして公団の事業資金はほとんどが借入金でまかなわれてきた。55~74年度の20年間の累積額でいえば、97.3%が政府および民間からの借入金であり、うち民間借入金が、72年度までの累積額では52.3%を占め、政府借入金を上回った。
 民間借入金の状況を、55~59年度、60~64年度、65~69年度、70~74年度の4期に分けてみると、資金総額に占める比率は、1966年度の86.9%をピークに第3期は62.6%、4期をつうじて平均417%であったが、その資金コストは年々上昇していった。当初は民間借入金も財政投融資計画に計上され政府保証がついて比較的低利であったが、65年度から政府保証のない民間資金が導入され、73年度からは公団が調達する民間資金には政府保証はなく、借入金利は7%年台から75年には9.65%まではね上がった。
 第1~2期の借入金はすべて政府保証つき、第3期は保証つき12.8%、保証なし35.0%、第4期はそれぞれ2.9%、277%、75年度からは保証つきゼロとなり、事業資金のほぼ半分を民間資金にたよる公団財政は利払いに追われ、破綻を生みだしていた。73年度以降、政府資金が増大したのはそれへの対応であった。
 1955~74年度の借入金総額3兆印64億円のうち民間資金は39.3%にあたる1兆4,139億円、その大部分(97.3%)は生保(65.3%)と信託(32.0%)からの借入である。生保は日本、第一、住友、協栄、明治、太陽、三井、安田の8社、信託は三井、三菱、安田、住友、東洋の5銀行、まさに金融独占にしめられている。
 74年度の事業資金は7,036億円であるが、半分近い3,219億円が借入金償還と利払いに充てられる。そのうち利子だけでも1,664億円、事業資金の23.7%にあたる。一日4.56億円もの利払い、その多くは金融大手への支払いである。
 住宅公団の事業資金の半分以上が借入金償還と利払いに消え、公団は金融大手を儲けさせ、そのツケは高家賃となって公団住宅居住者に過重な負担を強いる構造になっている。この構造は、住宅建設を大企業の利潤追求の場とするものであり、「公共住宅」の存立とは根本的に矛盾することは明白である。

『検証 公団居住60年』 東信堂

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