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浜田山通信 №233 [雑木林の四季]

卒寿の謹賀新年

                   ジャーナリスト  野村勝美

 明けましておめでとうございます。ことしもよろししくお願いします。といいましても、老生本年をもちまして満90歳。卒寿とやらか、昔ながらに数え年で数えるならば卒寿は昨年だったわけです。卒寿つまり人生を卒業する年なので、今年中には横幕玲子編集長のお力添えで書きつづけさせていただいたこの文章も卒業させてもらうつもりです。
 それにしても昨今の世の中の移り変わりの速さ、老人にはとてもついていけません。欧米のお正月に当たるクリスマスをはさんで世界中の株式相場が大恐慌以来の大暴落をしたかと思えば、すぐ最大の上げ幅を記録する。トランプさんはマチス国防長官をクビにしてシリアの米軍を撤収すると表明したかと思えば、こんどはすぐ夫人同伴でイラクの米軍基地を訪問、シリアのイスラミック・ステートの残党が何かやれば、イラクから出撃してやっつけると大見栄を切る。うるさい軍人や官僚は必要ないと思っているようだ。

 しかしアメリカでは、去年の中間選挙で下院の多数を民主党にとられ、最大の公約メキシコの壁建設の予算がつきそうにない。予算が成立しなければ、役所は仕事もできず、役人はやることがなくなる。大変なことになっているのに壁建設を認めない民主党が悪いとがんばっている。少しでも譲歩したら負けという執念にとりつかれているのだろう。  日本国もアベさんはミニトランプ流に徹している。韓国との関係、消費税値上げ、外国労働者受け入れなどがスムースにいかないので急に、国際捕鯨委員会(IWC)脱退を表明した。日本海の魚で育った私にはクジラを食べる習慣はなかった。戦後2、3回は鯨のステーキを食ったかもしれないが記憶に残っていない。憶えているのは、戦前、お盆になると薄く切った白い脂身の鯨ベーコンが食卓に出たことくらいで、うまくもなんともなかった。これからアメリカやオーストラリアの牛や豚をもっともっと買わなければならなくなるのに、どうして商業捕鯨を何10年もたって再開しなければならないのか。先進国ではもう大半がやめている死刑も土壇場にきて山下法相が2人執行、ことしはオウム関係も含めて15人にのぼった。
 いちばんやってほしくなかった沖縄の辺野古の海埋め立て。日本人は沖縄の人たちをどれだけいじめれば気がすむのか。薩摩の琉球処分以来、さきの戦争を含めてどれだけ沖縄県民に負担をかけてきたことか。日本を守ってもらうためには、沖縄の基地は仕方なく、お金はだしますから我慢してくださいというわけだ。玉城知事が埋め立ての県民投票をやろうとすると普天間基地の地元市長や宮古島や石垣島など先島の首長は投票事務をやらないという。
 辺野古と並んでなんとか目鼻をつけなければならないのは福島の核問題。放射性廃棄物の処理だけでもお手上げ状態で、廃炉など考えることさえ不可能のありさまだ。右も左もまっ暗闇の中を手探りで生きていかねばならない子供や孫たちは、まあ歌えや踊れ。 

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