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雑記帳2018-9-15 [代表・玲子の雑記帳]

2018-9-15
◆角館祭りのやま行事は優雅で過激! お殿さまにもお会いしました。

JR東日本の「大人の休日倶楽部」のパンフレットに「五感楽農体験ツアー」を見つけたのは、夏に入ったばかりのころでした。「仙北市を暮らすように旅する」と副題がついていました。

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仙北市は10年前、角館町と田沢湖町、西木村などが合併してできた市です。
今回は、その仙北市とJR東日本の共同企画として、角館の「やま行事」、田沢湖の「トウモロコシの収穫体験」、そして、秋田の誇るブナ林の散策と秘湯めぐりが組まれていました。宿は民宿です。

最近は、物見遊山を卒業して、滞在型や社会科見学など、少し変わった形の旅がふえています。9月8日からの三日間、日程に都合がついたのを幸いに、参加を決めました。参加者は9名。予想より少ない人数でしたが、当事者にとってはまたとない贅沢な旅になりました。

9月8日、東京駅を昼前に出発した「こまち」はほぼ3時間で角館に到着。
駅では歓迎の横断幕でむかえてもらいました。

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9月7日から3日間行われる角館祭りの「やま行事」はユネスコの世界文化遺産になっています。「やま」とよばれる巨大なもっこに、人形やお囃子、踊り手をのせた17台の曳山が町中を煉り、優を競うのです。人形は源平煮合戦にちなむ武者人形だったり、歌舞伎の十八番からとられたりしますが、すべて丁(ちょう)内の人の手作りです。祭りの期間中は学校も休みになり、曳山の時間帯は交通規制で車は締め出されます。男も女も、一年中で一番気合いが入る、町を挙げてのお祭りです。

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駅そばの資料館前にかざられた「やま」
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やまの一つの武者人形

角館は言わずと知れた陸奥の小京都です。武家屋敷通りは観光の目玉になり、春の桜をめあてに多くの観光客でにぎわいます。
江戸時代中ごろから、この角館を治めていたのは佐竹家でした。
地元の寺社である神明社と成就院薬師堂の祭礼は、参拝と同時に佐竹家当主の上覧をあおいで、その伝統は今もうけつがれています。
佐竹家の現在の当主、敬久氏は今、秋田県知事です。そして、佐竹知事は角館では今でもお殿さまなのです。

ヤマは各丁内から武家屋敷通りを目指し、お殿さまの御座所の前でおやま囃子が披露されます。大小の太鼓や鼓、笛や三味線の演奏に合わせておぼこ姿の女性がヤマの前舞台で踊るおやま囃子は、ヤマが丁内を出発する時から納められるまで続きます。

私たちも駅で角館の文字のはいった半纏を着せてもらって、道々、屋台をのぞきながら、上覧の行われる武家屋敷通りを目指しました。車の通らない武家屋敷通りを歩けるのは一年中でこの時だけだということです。
最初に目をひいたのは「ババヘラ」。お婆さんがヘラですくってくれるアイスです。秋田県では何処へ行ってもババヘラの屋台をみることができるそうです。働き者の秋田の女性の象徴でしょうか。アトピーの孫でも食べられると言ってお婆さんがコーンに盛ってくれたババヘラは、乳成分のほとんどはいっていない、あっさりとした味でした。

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おばあさんがばらの形に盛るのに3年かかったというババヘラ

観光客にお馴染みの武家屋敷通りは江戸時代そのままに残り、食事処も武家作り。街並みの保存にはきびしい規制があるようです。角館のしだれ桜は、佐竹藩にお輿入れのお姫様が京都から持参した苗木がもとになったとか。開花の時期には町中にしだれ桜が咲き誇ります。

あいにくの雨模様に、道中どこのヤマにも雨除けのビニールが被せられていましたが、お殿さまの前ではホロをはずして人形を見せなければなりません。組み立てた角材をとりはずすのもなかなかの作業、さいわい17台の最後のヤマの上覧を見ることができました。

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やまの舞台で披露されるおやま囃子の手踊り

囃子に合わせて二人の女性が踊る手踊りの、シンクロした手の動きはしなやかで、思わずみとれてしまいます。紫や絣の衣裳をつけて踊る女性は名にしおう秋田美人。踊り手だけではありません。ご一緒してくれた職員も、宿の娘さんたちも、みな秋田美人でした。

そして、なんと、私たちは世が世なら拝謁できないお殿さまと御座所で記念撮影することができました。床の敷き物ですら、今でも許可が無ければ誰も踏むことができないのだとあとから聞いて赤面しましたが。

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武家屋敷通り
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お殿様の御座所(佐竹の家紋が見える)
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御座所の中で記念撮影

市役所の庁舎で休憩ののち、陽が落ちて、すっかり暗くなってから「やまぶっつけ」を見物しました。
このころには大人から小さい子どもまで祭り装束の家族連れが通りにあふれています。
狭い通りで二台のヤマが出会ったとき、どちらが道を譲るかは談合とぶつけ合いで決めるのです。観光用とはいえ、ぶつけ合いは迫力のあるものでした。囃子の奏者も踊り手もぶつかり合うヤマの手すりにしがみついて耐えます。ぶつけ合った後にもおやま囃子は競われるからです。それが3回も続きます。
観光用にアレンジされたものとは別に、本番のぶつかり合はもっと過激です。火花がとび、ヤマを曳く角材が天をつく、けが人が出たこともあると、祭りから帰って来た宿の娘さんから翌日聞いた話です。最終日の本番のやまぶっつけは深夜から早朝まで、町内のあちこちで繰り広げられるということでした。

やまぶっつけを見学して田沢湖町にある民宿に着いたのは夜も更けていました。
田沢湖の民宿の歴史は古く、昭和45年の田沢湖国体のおりに全国に先駆ける形で誕生しました。それ以降、規制緩和のもとに、民宿は全国に広がっていきました。

農家民宿とペンションタイプの中から私が選んだのは農家民宿でした。
民宿「甚吉」は築100年にもなるという建物、おかみさんの心づくしの夕ご飯は、きのこたっぷりの芋の子汁にイワナの塩焼き、秋田の食材満載のご膳でした。

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甚吉の看板
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築100年の甚吉(上写真2枚は翌日雨の晴れ間に撮ったもの)
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きのこたっぷりの芋の子汁
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ぶなの森で育った「石神大根」は驚くほどジューシー

◆『ロシア~アネクドートで笑う歴史』の筆者、川崎浹さんのインタビュー番組が公開されます。公開日時は以下です。
 テレビ東京「美の巨人たち」
 「高島野十郎の蝋燭」は地上波で9月29日(土)夜10時。
  衛星放送「BSジャパン」で10月6日(土)夜10時。

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