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地球千鳥足 №106 [雑木林の四季]

国民、牛、犬、蠅まで総幸福の国で松茸たらふく頂いた! ~ブータン王国~  

    グローバル教育者・小川地球村塾塾長  小川彩子

管理された観光だった!
パロ空港につくと「こんにちは!」とガイドのキンレさんが迎えてくれたのでこちらも「クザンポー(今日は!)」。彼は英語も日本語も話した。この国では勝手にバックパックの旅は出来ない。個人で行ってもガイド付きのハイヤーで既定の場所を案内してもらうだけだ。伝統的なチベット文化を守り将来に伝える王家中心の保守的国家で、管理された観光を体験するのがブータンの旅だ。すぐに首都ティンプーへ向かい、市のど真ん中にあるガリンカ・ホテルにチェックイン後、政治の中心を担うタシチョ・ゾンと第三代国王を記念したメモリアル・チョルテンを訪問。山々の斜面に立つゾンという美しい建物は城塞、政府出張所兼僧院というが、大変存在感がある異文化建築だ。ゾンの近くには集落があり集落を結ぶ道路は舗装されて運転に支障はないがその道路に牛や犬が歩き回り、ぶつからないよう車は注意して進む。人、車、動物、昆虫まで麗しく共生する社会だ。ヒマラヤの碧空に映えて聳え立つメモリアル・チョルテンは3代国王を記念して2代目王妃の発願で建立された仏塔形式の寺院でマニ・ラコルという円柱を回して参拝したが、観光客は行程が同じで、行く所、入る食堂どこでも「また会いましたね!」。

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メモリアル・チョルテン

ブータンの食事は蠅を追いながら 
国民聡幸せは良いが食べ物はどこに行っても同じだ。レストランではお皿に蠅が集まって来るので手で追いながらの食事、ブータン仏教は生き物への殺生はご法度なのだ。道端の物売りから大発見した太くて堅めの松茸を4本500円で買ったらレストランでガイドが焼いてくれた。香りは少ないが歯応え充分、嬉しい体験だった。トウモロコシも焼いて売っており、日本と同じ100円、モチモチして美味だった。

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500円で買い、焼いてもらって食べた松茸

首都も国中も工事中だらけ! 
初日は早めにガイドと別れ首都ティンプー市内を散策したが商店街はほんの一区画、スーパーはまだ見かけない。中心に交番のボックス、手信号の警察官がいる。信号機は皆無だが小規模ロータリーが数多くある。増改築のための工事中が多いが労働力は国民は高いのでインドからとか。大発展途上だ。教育は英語で行われ皆英語を話す。宿泊したガリンカ・ホテルは交番のボックスを見下ろす10字路交差点にあり眺望最高!警察官は8時過ぎ登場、近くの道路上に10匹以上の野犬が寝そべっているが車は犬の間をゆっくり走る。

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民族衣装を着せてもらった
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ワンちゃんたちが寝そべるティンプー市内

段々畑が美しいアルプスの谷に虹 
かつての「冬の都」プナカゾンへ。2つの川の合流点に建ち、玄関の橋には風情のある装飾がなされ、宗教文明の香りで圧倒される。牛の身体に山羊の頭のタッキンという国獣を見て、焼き石で水を暖める民家の木製風呂、ドツォも体験、民族衣装も着せてもらった。僧院建築は窓周辺の装飾が美しく豪華、広い中庭を囲んで正面に本堂があり、本堂には釈迦本尊が祭られ風格がある。パロとティンプー間、3150mのドチュ・ラ峠からの見晴らしは最高。段々畑が美しい緑の谷にかかった虹、忘れない。

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緑の山あいを車で走り回った
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窓の装飾が美しいゾンの正面

人も車ものんびりの国、国の経済を支えるのは水力発電という。観光客は世界中から来るが先ず大自然の美しさ、固有の文化、GNH(国民総幸せの国)に魅かれてだろう。アルプスの少女が真ん中で遊んでいそうな、なだらかな緑の丘を越えて毎日案内してくれた知識豊富なガイド、キンレさん、有難う!(アメリカ、Angle Press. Inc発行、Weekly Jangle第269回、「国民、犬、蠅まで総幸福の国で松茸たらふく頂いた!~ブータン王国~」に修正を加えたもの)


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