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浜田山通信 №191 [雑木林の四季]

教育勅語③

                                     ジャーナリスト  野村勝美

 もし森友学園事件が起こらなかったなら、今ごろ安倍昭恵名誉校長の瑞穂の国記念小学院は盛大に開校式をあげ、籠池理事長はモーニングに白手袋で高々と教育勅語を児童とともに朗誦し、「アベ首相ガンバレ、ありがとうございました」の声が何千万円もの補助金も得て建てられた木造校舎にこだましていただろう。もちろん国有地が8億円もディストカウントされ、開校の認可が素早く認められたことなど国民も市民も知ることなく、右派系の人たちはバンザイ、バンザイで記念行事に参加しただろう。籠池理事長夫人諄子氏はあれほどひんぱんに昭恵さんとメールをすることもなく、ただ感謝感激だっただろうし、昭恵さん付きの谷査恵子さんや近畿財務局、大阪航空局、松井大阪府知事、稲田防衛庁長官もお祝いにかけつけたかもしれない。
 とにかくすべては順調に、うまく進んでいたのだ、。歯車がくるったのは、ついひと月ほど前、朝日新聞のスクープから始まった。火をつけたのは豊中市会議員の木村真さん。木村さんは瑞穂の国記念小学院の建設現場で生徒募集のポスターを見た。教育勅語が書かれていて「やばい」と感じたそうだ。それで財務局に契約書などの情報公開請求をすると金額部分などが黒塗りだった。もし木村さんが豊中市議でなく、ポスターも見なかったなら、朝日が記事にすることもなかった。
 悪事はいつか露見する。天網恢々疎にしてもらさずという。そしてつかまったのだが、関係した人たちは、悪事をなしたとは思っていなかったに違いない。安倍首相は国会答弁で森友学園について「妻から先生の教育に対する熱意はすばらしいと聞いております」「いわば私の考え方に非常に共鳴している方」と言っているし、熱烈な支持者もいっぱいいた。籠池氏はもちろん皇国主義教育でうまいことをやってやろうと計画してのことではないだろう。
 事件の全貌はいまや明々白々だ。国有地の安売りも学校認可も、事件発覚と同時に役所や政治家の忖度によって、超法規的に片付けられた。小学校に安倍記念と冠名をつけたかった人には「しつこい男」とトカゲの尻尾切りされた悪のヒーローは、「首相を侮辱した」として国会に証人喚問され、神風ならぬ台風に見舞われた。
 気の毒だが、籠池泰典ひとりが悪者にされ、諄子夫人が言うように、「主人はブタ箱、学園は破産」に追い込まれることは目に見えている。マスコミも一件落着で、深追いはしないだろう。それでなくとも、一強についていくのは身についた習性。TVにはアベさん側のコメンテイターが次々に現れる。「週刊朝日」4月7日号で室井佑月さんが、ツイッターに「田崎史郎さん、あなたネットで田崎スシローって言われてるの知ってますか」と出ていることを紹介していたが、田崎史郎も稲田朋美も私の中学(高校)の後輩。別に関係ないけど腹立たしい。


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