私の中の一期一会 №137 [雑木林の四季]
果たして、復活はなるのか?松坂大輔(36)とタイガー・ウッズ(41)・・・
~松坂は「誰に何を言われようが、自分を信じて進むだけです」と語る~
アナウンサー&キャスター 藤田和弘
テレビはトランプ大統領に振り回され過ぎの感じがするのは私だけだろうか。
日米首脳会談で両首脳がゴルフを楽しみ、安倍首相は“信頼関係を築けた”とご満悦のようだが、少なくともメディアは、拍手して一緒に喜んでいてはいけないのではないだろうか。
ドナルド・トランプが異色の大統領なのは確かで、その本性を見極めにくい存在である。
相変わらず危険な臭いがするし、短命に終わる予感すらあるではないか。いつ何時、問答無用でバッサリやられるか分からない不気味さも消えていない。安易に信用せず“監視”を怠らないほうがいいと私は思う。
連日トランプニュースが溢れる中で、気になったのは稲田朋美防衛大臣の理解不能の国会答弁である。
南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣されている陸上自衛隊部隊が、日報に首都ジュバで「戦闘」があったと記載していたことについて、衆院予算委員会で「法的な意味での戦闘ではなく、武力衝突だった」と答弁したのである。
「戦闘」があればPKO参加5原則や憲法9条違反になり自衛隊は撤退が必要になる。だから「武力衝突」とか「法的な意味での戦闘ではない」と逃げ(ごまかし)の答弁をした。撤退はさせない意向だからだ。
「戦闘行為」と「武力衝突」はどう違うのか。「法的な意味での戦闘」とはどういう戦闘なのかの説明はない。
事実は一つしかない、深刻な事態があったことは確かなのである。
理解不能な答弁をした稲田防衛相が辞任を求められたのは当然である。命がけの任務を強いられている自衛隊の派遣部隊からも辞任要求した方がよいのではないかとさえ思う。こんなアホな防衛大臣の基では、いつ戦死者が出てもおかしくないだろう。ふざけた話だ。
法務大臣にも「辞めろ」という声が出ている。“親分”は呑気にトランプさんとゴルフをしている場合ではないかも知れませんよ・・・
私は「怪物・松坂大輔に復活の予感漂う・・」というネットの記事に興味をそそられて読んでみた。
松坂大輔は現在、プロ野球ソフトバンクのキャンプ地宮崎の2軍にいる。
2015年から日本球界に復帰し、ソフトバンクと3年12億円の大型契約を結んで今日に至っているのだが、帰国後に右肩手術に踏み切った影響もあって、この2年間は未勝利である。
そんな松坂が「誰に何を言われようが、自分を信じて進むだけです」というコメントを発しているのを目にした時、怪物の心境にどのような変化があったのかを知りたいと思った。
昨年10月2日、日本復帰後初の1軍昇格を果たし、日ハムの優勝が決まった後の楽天戦のマウンドに立った。初回にいきなり3安打を打たれ、与えた四死4に暴投も加わって5失点と惨憺たる結果に終わったのである。
松坂大輔といえば、夏の甲子園で球史に残る活躍を見せ「平成の怪物」と呼ばれた高校野球のヒーローであった。プロ入りしてからは西武のエースであり、WBC日本代表の大黒柱として活躍した。メジャーでもレッドソックスのワールドシリーズ優勝に貢献している・・・しかし今はその面影はない。
統計をとった訳ではないが、「あの勇姿をもう一度見たい」という人より、かつての「栄光を汚して欲しくない」、「晩節を汚すのは見ていられない」という人の方が多いのではないか。
だがしかし、今の松坂大輔には「引退」という選択肢はない。
スポーツ情報誌Number Webによれば、松坂大輔は2016年12月、プエルトリコのカロリナを本拠地とするカロリナ・ジャイアンツというチームでプレーをしていたのである。
冬期リーグのある日、試合後にNumberの記者に語ったのが「誰に何を言われようが、自分を信じて進むだけだ」という言葉だった。
松坂は“まだまだ出来る”という気持ちを捨てていない。“もっとうまくなりたい”という向上心も36歳にして衰えていない。プエルトリコに乗り込んだのも“前に進むため”であった。
冬期リーグの初戦は、4イニング1安打2失点だったが、6四球とコントロールは乱れた。
2戦目はノーワインドアップにして、2ーシムなど速球主体のピッチングにしたら、5回3安打1失点と好投できた。狙った通り内野ゴロでアウトを取れたことと四球が2つで済んだことに満足感があったという。
3試合目は速い球に詰まった当たりが多かった。4回を投げ6安打2失点。
最終の4試合目は、7回までマウンドに立ち、3安打1失点と確かな手応えを残せたのである。
このプエルトリコ遠征は「まだやれる」という復活への自信を深めることになった。
宮崎キャンプでの松坂はハイペースで調整を続けている。
プエルトリコでプレーしていたこともあって、初日から「身体が動いているから」とブルペン入り、フリーバッティングにも登板して打者に対して投げた。
7日には239球の投げ込みを行ったが、今の時期としては異例の球数だだろう。中指にマメができたので3日間はノースローだったそうだが、10日は、また185球の投げ込みを続けている。
昨年までは、手術した右肩の状態を常に考えなければならず、100球投げるのもしんどかったそうだ。
それが「今年は“肩に不安がなくなった”ので、200球投げても痛み出ない。ストレスの一つがなくなったのだ。9キロの減量にも成功した。200球も投げればやはり疲れる。だが、疲れてからは無駄な動きがなくなるので、入れるべきところで力を入れられるようになる。フォーム固めには最適だという。
14日にはシート打撃に登板、打者7人に投げ2本の二塁打を打たれた。疲労は今がピークだそうで最速136キロしか出ていない
見守った工藤監督は「まずは第一段階だね」とだけしか言わなかった。
長年苦しんだ肩や肘の不安がなくなったことが、平成の怪物にやる気を出させたことは確かなようだ。
キャンプは順調でも、オープン戦という実戦で結果が出なかったら、復活は遠のいてしまう。
もしオープン戦で松坂が投げたら、テレビは中継するだろう。ぜひ見てみたい。
もう一人、「復活」か「引退」か、で注目を浴びているのが、長年ゴルフ界の頂点に君臨してきたタイガー・ウッズである。
3度も腰の手術を経験して、2015年秋からツアーを離れていたタイガー・ウッズが、昨年10月13日に開幕する16~17年シーズンの初戦「セーフウェイ・オープン」に出場すると自身のホームページで明らかにした時、米ゴルフ界はどよめいた。
初日を前にチケット2万8000枚が売れたのである。“タイガーのツアー復帰”を多くのファンが待ち望んでいた証だ。
タイガーは「僕のリハビリは問題なくきている。計画を練る段階にきた。プレー出来るかどうかは回復次第だが、まだ終わりではない」とカリフォルニア行きを約束した。
しかし、あと3日で大会初日という10月10日、「実戦に向けての準備が整わなかった」として突然出場はキャンセルされてしまった。
がっかりしたファンに向かって、ツアー35勝のジョニー・ミラーが「彼がタイガー・ウッズでいることは苦労なのだ」と語って、苦しむタイガーの心境を代弁したという。
私は、タイガーの試合を何度も実況したが、確かにタイガーは一人だけ規格外の技量の持ち主で、神懸かりショットを何度も目にした。上手い上に強さも発揮した。
ツアー79勝のタイガー・ウッズが、つまらないミスや凡プレーをしたらファンは失望するだろう。
復帰すれば、ファンの誰もが“往年のタイガー・ウッズがそのままを戻ってきた”と期待するに違いない。
だが、ジョニー・ミラーは「それは無理だ」とゴルフチャンネルの放送で断言している。
ツアー仲間のポール・エージンガ-は「冷静さが消えた。自信もなさそうだ。焦っているように見える」と語り、あの頃のタイガーらしさは消えてしまったと指摘している
“あのタイガーをもう一度見たい”というファンの期待にタイガーが応えるのは至難の業なのである。
アメリカのメディアには、タイガーがメジャー大会に優勝しなければ“真の復活”と見なさない風潮がある。
だから、たとえツアーに復帰できても「メジャー優勝を果たせなければ、キャリアの終わりが近いと考えるべきだろう」という厳しい指摘さえメディアにはあるのだ。
心・技・体が整って復帰出来ても、タイガーにはメジャー優勝が義務づけられると思っていい。
タイガー・ウッズは10日、出場予定だったジェネシス・オープンとホンダ・クラシックへの出場を取りやめると発表した。不安要素がいっぱいなのだろう。タイガーは今苦しんでいる。
「タイガー・ウッズでいることは苦労する」と言ったジョニー・ミラーの言葉は核心を突いている。。
松坂大輔にも当てはまるかも知れない。
タイガー・ウッズと松坂大輔、二人にとって2017年は勝負の年になる。
藤田さん、おはようございます。安倍首相のご機嫌取りは、見ていて気持ちが悪いものです。素人のゴルフ中継をやたらテレビ中継するマスコミはおかしいですよ。一昨日、金正男氏が暗殺されましたが、トランプも近々暗殺されてしまうような気がします。日本は危なっかしい橋を一緒に渡ることは無いと思いますがね。任期の4年も持たないのではないでしょうか。稲田防衛相は即刻辞任が妥当です。松坂大輔の落ちぶれようは痛々しい感じがしました。復活は厳しいですね。タイガーウッズの名前を聞かなくなりましたが、腰痛だったのは知りませんでした。ただのスランプだと思っていました。タイガーの復活を願います。
by 笠井康宏 (2017-02-17 06:11)